映画 花束みたいな恋をした 感想

映画 花束みたいな恋をした
ネタバレありの感想です。

・感想

恋愛物語、というより成長物語といった感想。
花束みたいな恋をしたい。
と思っていました。
花束みたいな恋をした。
タイトルからわかる通り恋をした二人が別れるまでの経緯を描いた作品ですが思ったより良かったです。
2人は困難を乗り越え幸せになりました、的な映画より個人的に好みですね。

この作品では結局二人は別れた訳です。
しかし二人は別れた結果不幸せになったのでしょうか?
そんな事は無いですよね。

価値観が一緒(であったと思っていた)二人。一緒に、これからの人生を歩んで行くと思っていた二人ですが…
男は就職せず、夢を追った結果、夢を追うだけでは生活できない事を知り自身と家族を守る為に責任を負う事を決めた。
女は就職はしたが夢を追う事を求め、自身のやりたい事をの為に進むことを決めた。

男は女と現状維持をしたい、女は男と一緒に夢を追い求めたい。一見価値観は共有していた二人ですが根本的なものが違っていた訳です。

そして根本的な違いはやがて価値観の共有も行えなくなっていく。読む本も、漫画も、ゲームも…互いに好きだと思っていたものが好きだと思えなくなってしまった。
そしてその価値観のずれは互いの感情を関心から無関心へと変心していく。

結果としてすれ違ってしまい、友人の結婚式後に互いの初心の頃を思い出しながら別れる事となってしまった二人。
しかし互いに嫌いになった訳ではなく多くの価値観は共有している。冒頭のステレオの音楽の件からも考え方が変わってしまった訳ではない。

ただ互いに社会を知った結果、結婚後に求めるものが違っている事に気が付いてしまった。
ただ単に別れただけではなくお互いに現実を知り、成長していく経緯となった。
そんな花束みたいな恋をした。
この映画のジャンルは恋愛ドラマだと思いますが恋愛を通した二人の成長物語だと思っています。
個人的には普通の恋愛映画と勘違いしたカップルが観てしまって気まずくなった後の双方の感想を聞きたい。それとも普通のカップルはこの手の話を観て共感できるのだろうか。疑問に思います。

・ジャンケン

最後のマロン争奪戦。
ジャンケンで麦がパー、絹がグーを出したのが一番端的にこの二人の変化がわかりそうですね。
2人とも最初は紙が石に勝てる理由がわからない。石なら紙を突き破れる、的な事を言っていました。
つまりグーは二人にとって最強の手なんですよね。チョキに勝てる。パーが勝てる理由がわからない。
で、両者ともにマロンは欲しい。負けたくない勝負のジャンケン。
ジャンケンに至るまでに色々あったと思いますが最終的には理不尽なルール(最初の二人にとって)での勝負となった訳です。

当然絹はグーを出すわけですが就職し、考え方の変化した麦はパーを出すんですよね。
絹がグーを出す事を想定してパーを出したのか。
それとも単にグーを使わなかっただけなのか。
どちらかはわかりませんが細かい拘りは捨ててパーを選択できた麦が勝利した訳です。
結構細かい描写ですが二人の考え方の変移を表している良い描写だなあと思いました。

・本棚

序盤で麦の部屋に来た麦の「ほぼうちの本棚だ」的な台詞があったと思いますがほぼ、であって全く一緒じゃないんですよね。
当然全く一緒の訳がないのですが二人はここで完全に価値観が一致している、と思い込んでしまったのも最終的に別れる原因となってしまったのかもしれないですね。
終盤麦がミイラ展の時は実は若干引いていた、と言っていた事もありますが双方微妙に嗜好が違ってたんですよね。

しかし結構マニアックな趣味の二人は双方一緒の価値観を持っていると思ってしまった。舞い上がっていた事もあると思いますが。
自身が喜ぶものが必ず相方の趣味に合うと思ってしまっていた。
特に絹なんかそうですが自身が好きな本ならば麦も喜ぶだろう、と思って本を薦めようとしたら相方はビジネス書?だか自己啓発書?を読んでいた。

最初から二人は違う。彼は彼で好きなものがあるし、彼女は彼女で好きなものがある、と認識していればあまり落ち込む事は無かったと思います。
最初に趣味趣向が完全に一致していると思い込んでしまったが為に趣向のずれが想像以上に大きく感じてしまったのではないでしょうか?特に絹にとって。

結局友人の結婚式の最中は別れようと思っていた二人ですが麦は結婚式後にやっぱりよりを戻そうと考え直している訳ですね。でも絹は違った。
麦は絹と現状維持が出来ている、現状維持する為に自分は頑張っている。現状維持が出来ているなら結婚生活も可能だ、と思っていたと思いますが絹的には現状維持は出来てなかったんですよね。
良い事も辛い事もひっくるめて二人で共感して生きていきたい絹にとって変化してしまった麦とそれをやっていくのは不可能だと思っていた。
だからこそ絹は別れようとしていた心境を変化させる事はなかったのだと思います。

冷静に考えれば二人の人間が全く一緒の考えのはずはないのですが二人はあまりに共通した趣味を持っていたが為に勘違いしてしまった。
半分ぐらい共通している本棚、だったら結果が違っていたのかもしれないですね。

・マーガレット?

本編で麦が花の名前何だっけ?と聞いてるシーンがあったと思いますがマーガレットですよね?まから始まる花と言っていた気がしますし。
結局絹は花言葉を彼女から聞くとその花を見るたび女を思い出す、とか言ってはぐらかしていましたがあれの示す事はなんでしょうね。
マーガレットの一般的な花言葉は「恋占い」「真実の愛」「信頼」らしいです。恋人同士にはいい言葉ですよね。
しかし「私を忘れないで」「優しい思い出」という意味合いもあるらしいです。

絹がどういった意図で名前を伝えなかったのは結局言及されなかったですが別れの意味合いもある花の名前を自分の口から言いたくなかっただけかもしれないですね。
そもそも花言葉って結構曖昧らしいので絹の本当の意図はわかりませんが。
それ以前にそもそもあの花がマーガレットかどうかすらあやふや。違っていたらこの雑記は全く意味のなさない項目に。

そしてこちらも完全にうろ覚えですが映画、エンドロールのラストの花束。劇中の麦が書いたと思われる花束に中にマーガレットは描かれていなかったような。
これも意図的に外したのか、それとも偶然か、それともこの項目全て自分の勘違いか。ちょっと気になりました。

・さわやか

あそこまでさわやかが劇中で出てくるのは意味があるのかないのか。
私静岡県民ですが理由がよくわからない。
一応県内限定のお店らしいですが。

でも納得できる描写もあるんですよ。
繁盛店で繁忙時に行ったらそりゃ延々と待ちますよ。
静岡から埼玉間の最終の新幹線の時間はわかりませんが夜に行く事自体が間違い。
店内案内待ちのお客でごった返していましたが結構リアルな描写だなあと。
出張前乗りした昼間ならそこそこの待ち時間で食べられるってのも納得ですね。ただシャツ姿でそのままハンバーグ食べるのはわかりませんが。
無茶苦茶油跳ねると思います。仕事前に食べられるものなのか。
いや出張前乗りだから着替えればいいのか。多分。

・サムズアップ

ラスト、絹がサムズアップをしていましたがあれはオダギリジョーと浮気していたという事を表現していたのではないでしょうか?
オダギリジョーと言えばクウガ。
クウガと言えばサムズアップ。
別れる前に絹が浮気した事を仄めかしていましたが結局したかどうかは不明です。

しかしオダギリジョーとラーメンを食べに行った事は事実。
さらにその後何かあっても不思議ではないでしょう。
つまりラストのサムズアップは元カレに偶然再会したけど元気そうだね、うまくやっていってるね、これからも頑張って行ってね、といった描写のサムズアップではなくて実際はオダギリジョーと浮気していましたよ、的なサムズアップではなかったのかと。

つまり仮面ライダーサイクロンが良かったけどクウガもたまにはいいね、的な表現だと思っているのですが実際はどうなのでしょうか。
そもそもの話ラスト一瞬すぎてサムズアップかどうかすら覚えてないので間違っていたらすみません。
そしてこのブログは特撮感想がメインなのです。この手の描写があったら反応せざるを得ない。

映画
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