映画 ヤクザと家族 The Family 感想

映画 ヤクザと家族 The Family ネタバレありの感想です。

・感想

ヤクザ映画、というよりファミリー映画。
デッドプール2がファミリー映画だったようにこの映画もファミリー映画だったと思えます。
と言うのも作中で山本が言っているようにヤクザしか生き方を知らない、というだけであってヤクザになるしかなかった人間が家族愛を求める映画。
家族愛を中心とした映画は全てファミリー映画と言って差し支えないのではないでしょうか?

デッドプール2も恋人を殺された男が愛を求め迷い彷徨い、そして家族愛を手に入れる物語。
両者ともに家族愛を描いた作品だと言えるでしょう。

という冗談は置いといて、でもメインテーマが家族愛というのは間違いないでしょう。
薬物によって父を失った山本がヤクザとなる事で自身の失ってしまった、しかし取り戻したいと思っていた家族の愛を求める物語。

ストーリーとしてはそれほどわかり難い要素もなく、純粋に山本の心境の推移に集中できる展開となっており、メインテーマはヤクザ、ではなくヤクザになってしまった男の物語、といった印象です。

山本は色んな意味で不器用過ぎるんですよね。直情型というか。
父を失った原因のシャブの売人を襲ったり。
父親代わりの組長をコケにされたことで襲ったり。
怪我を看てくれた女性に一目惚れしたり。
そしてその女性に対して素直になれなかったり。
親友を殺され、組長に止められたにも関わらず銃の持ち出ししたり。
若頭を庇って刑務所に入ったり。
家族の為に組を辞めたり。
翼の決意を察して先に襲撃したり。
そして巡り巡って自身が刺される結果となったとしてもその結果を恨まなかった。ヤクザではあったけれども家族を愛する気持ちはあった。

いや、不器用過ぎて家族を愛する事でしか生きられなかったのではないかと思います。
20年。ヤクザにとって激動の時代。
ヤクザの衰退を描きながらヤクザになるしか出来なかった男の家族を求める物語。
なんだやっぱり家族愛の映画、ファミリー映画だったんですね。
とは言え家族で観るのにはお勧めできない映画。
善悪の分別がついた、最低でも14歳ぐらいになった人に観てもらいたい映画ですね。

以下雑記

・柴咲博

舘ひろしが物凄いはまり役。
ジャンルが変わってしまうけれども8年前?(1991年?)の抗争映画も観てみたい気がします。それはそれで面白そう。
ファミリー映画から任侠映画になりそうですが。

・木村翼

あんなに可愛かった翼君が今日から俺はに出てきそうな不良、というか半グレになってしまうとは。
まあこの子も環境が良いとは言えなかったですしね。
山本が刑期で14年で経過する、と知った時はもしかしたら磯村勇人が綾野剛の息子役で出るんじゃないかと勘違いしてしまいましたがそんな事はなかった。
まあ14歳役は無理ですよね。

・中村努

あの真面目な中村が結局薬物に手を出していたのが残念。
とはいえこれもヤクザがどれだけ衰退したか、という表現には分かり易くて良かったとは思いますが。
しかし幹部は言え財政的に厳しい現状で自分の組の売り物に手を出して大丈夫なのだろうか。

以下ネタ感想

・バイク並走

バイクというか原付なのですが序盤に並走しているシーン。
公道でバイク並走って久しく観てないんですよね。剣あたりの仮面ライダーは並走していたのに規制が…。
流石ヤクザ映画。ヒーロー映画ではできない事を平然とやってのける。
惜しむらくは綾野剛がライダーに変身してない(はず。デルタに変身したと思って調べてみたら変身してなかった)事。
デルタのベルトをすぐ返却していなければ元仮面ライダーの公道並走が見れたというのに。
あと、基本的に仮面ライダーもどんなに緊急事態でもノーヘルはNGなので(役者さんバイク運転させられないし)ある意味こっちも貴重なシーンとなったのですが色々残念。

・磯村勇人

最近アラン様ってヤンキーとか今回のような半グレの役ばかり見てる気がします。アラン様凄いカッコいいのですがそれ以上にチンピラ役が似合いすぎる。
ひよっこで主人公の恋人役やったので他にも普通にラブコメ映画の主演とかやれそうな気がするんですけどね。

・綾野剛

こっちもこっちで危うい役しか最近観てない気がします。
最近観たのだと「楽園」「閉鎖病棟」。
で今回の映画。どれも主演クラスですが全部癖のある役ばかり。
と言ってもアラン様と違って555の時からして危うい役でしたが。スパイダーオルフェノクははまり役だと思っています。なのでこっちはちょっと納得。

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