映画 ブレイブ -群青戦記- 感想

映画 ブレイブ -群青戦記- 感想
ネタバレありの感想です。
映画観終わった後原作漫画5巻まで読みました。

・感想

期待していたのと違う。
映画の予告を観た時は強豪スポーツ校が戦国時代に巻き込まれ一時的に窮地に陥るがトップアスリート軍団の力で無双。
その後なんやかんやで現代に戻ってめでたしめでたし、的な話を想像していたのですが全く違いました。

序盤から人が死にまくる。
モブ生徒は序盤でほぼ全滅。
メインキャラもひたすら死亡フラグを立ててその後フラグ回収とばかりにあっけなく死にまくる。
生徒会長も頼りになりすぎてこれは終盤で死ぬかなあと思っていたら中盤でモブにあっさり殺される始末。そして徳川家康もあっさり(一応ラスボスが死因だったのであっさりではない?)死亡。

戦国時代ってそんなもの(生徒会長死んだ時に家康が一人に死にそれだけ悲しむ事が出来る云々の話をしていた)だとは思うのですがそれにしても全体的にあっさり死ぬんですよね。
終盤カタルシスが得られる展開かと思ってたのですがそういったものもなく。家康援軍に来てからもボクサー死んでましたしね。

これはバッドエンドかなあと思ってたら最後はハッピーエンドっぽい締め方。大多数の生徒と先生が死亡しまくった挙句あの後日談は無いと思うのですよ。他の学校に転入した後かもしれませんが。
で、これは結構長い原作を無理やり映画の尺に詰め込んだせいでこういった状態になったのか、と思って読んでみたら…別物ですね。
モブキャラは序盤で結構死んでいるのは同じなのですがメインキャラはそれぞれ個性があって、というか個性的でこの状況下における心理描写もある。そして名前付きの強豪相手に死闘を繰り広げる、とバトルアクション漫画の基本を押さえた作りになってると思うのですが映画だとどっちかと言うとホラー映画な作りになってしまっているような感じがします。

映画は理不尽な状況に置かれた登場人物が抗いながらもあっけなく死んでいく。原因は不明でありなんとか生還しようとするもメインの登場人物がほぼ死亡。少数生き残った人物がその事件について振り返る、的なホラー映画の要素満たしていると思うんですけどねえ。
個人的にはこの映画に高評価はつけられないです。
原作の良さを表現しきれてない。
ストーリー展開もひたすらフラグ立て、回収の連続で先の展開が読みやすい。(開始直後にラスボスが誰かわかる)
ラスボスがウォズにしか見えない。等々

17巻にも及ぶ原作を纏めきるのは不可能だとわかりきっているはずなのでもっと原作のバトル要素、戦国時代の武将対スポーツ強豪校のトップアスリートに焦点を当て、作った方が良かったのではないかと思います。

以下雑記

・松本考太

生徒会長。
原作漫画だとそこそこ重要なシーンで死んでたのに映画だと斥候の忍者?にあっさりと殺されてしまいました。
主人公が自己評価低めの弱気(でも実際は武道万能)キャラなので主人公の覚醒の為に死ぬかなあとは思っていたのですが中盤で死ぬとは。
この後主人公が奮起するシーンがあるので重要な役割ではあるのですがもう少し強敵相手と戦って死闘の末、的な展開を期待してしまいました。残念。

・吉元萬次郎

科学部。
原作だともっと狂っているキャラなのですが映画だと控え目。
一応改造レーザーポインターで失明とかさせてはいるのですが原作だと薬品ぶっかけてますからね。比較的常識人。
いやでも映画ラストのあの状況で告白とか常人じゃできないですね。やっぱり狂人の部類に属する。
似たような事をしたボクサーはあっさり死んだのにこっちは普通に生き残ったのも若干不満。

・戸田義章

卓球部。映画未登場。
萬次郎以上に狂人だったのでついでに記述。
こいつが映画にもいればもう少し展開が違ったのに!
もう少しバトルアクションものっぽいものになっていたと思います。
でもこれはこれで全国の卓球部から批判されそうなので出さなくても正解だったような気がしないでもないです。
他のキャラも性格控え目、理不尽に巻き込まれた高校生になってますからね。特定の部活動から精神的に病んでる人物を出すわけにもいかなかったのでしょう。多分。

・黒川敏晃

ボクサー。
原作からだいぶ性格が変わってますね。
原作だと生きる実感を得る為に痛みを求める、的な要素ありましたし。性格が大幅に変更されたのも上記の通り批判避けるためだと思います。
もしくは尺が足りなさ過ぎてマイルドな性格にされたとか。
ただし獲物は一番物騒な気もします。最終的に真剣を使い始めた主人公はともかくグローブの上にチェーン嵌めるって殺る気満々ですね。最後あっけなく死んだけど。

・相良煉

空手家。
原作と風貌が違い過ぎて別キャラかと。
しかし空手は場面映えする為か比較的原作っぽい事をやっていた気がします。まともに相手武将と戦ったのって主人公と空手家フェンサーコンビだけだったはずですし。
個人的にはこの手の現代スポーツ対武将の戦いがもっと見たかった。

・高橋鉄男

アメフト。
突如弁当の話をしだしたと思ったのですがあれは死亡フラグだったのか。
いやよく考えれば非常に分かり易いフラグなのですが何故か感覚がマヒして生き残るかと思ってしまいました。
ただ最後のシーンは割と良かったです。致命傷を負った状態で囮になる。アメフト部主将っぽい活躍だったのではないかなと。他のメインキャラと違って部員との絡みも多く、別れのシーンもきっちりかけていたからでしょうかね?
まさかアメフトで人殺すわけにもいかないですしね。悪質タックルとかそんなものは…いやなんでもないです。

・木下藤吉郎

原作とキャラが違い過ぎる。
映画観た後原作読んだのですが同一人物と認識できなかった。

以下駄文

・高橋光臣

出てたのに気が付かなかった。
チーフは後5歳ぐらい若ければアメフト部主将をやっていたかもしれなかったのに残念です。
確か高橋さんは強豪校でラグビーやっていたはずなので。

・成瀬勇太:飯島寛騎

フェンサー。
空手家と共に死んだかと思ったら生きていました。
あの重傷で4時間かかる道のりを戻ったというのは…やっぱり仮面ライダーは違いますね。空手家もライダーだったら恐らく死ななかった。
ところで落雷予測時刻まで途中で3時間とか言われてた気がしますが帰り道に4時間かかるはず。馬を使えば間に合うとは思いますが(主人公間に合ってますし)その辺スルーされて普通に帰ってきたのはどうなのかと。

・不破瑠衣(簗田政綱):渡邊圭祐

ウォズかと思った。
終盤は本当にウォズかと思った。
駄目じゃないですか歴史の管理者のクォーツァーが歴史を自分のいいように修正しては。
…いや黒ウォズも白ウォズもクォーツァーも全員歴史を自身の都合の良いように創り替えようとしていたのでやってる事は変わらないですね。
やっぱりウォズはウォズだった。
ルックス、やっている事も含めてパーフェクトなウォズでした。
そしてウォズがダークドライブ(パラドックスロイミュード)と戦闘を繰り広げる特撮ファン的には胸熱な展開でした。

・西野蒼:新田真剣佑

ダークドライブとウォズの戦いは良かったです。
とそれは上で書いたので置いとくとして色々万能すぎやしませんかね?
原作だとわからないですが映画では全国トップクラスの松本に比肩する程の剣道の使い手。弓道もトップクラス。歴史オタ。そして難なく乗馬をこなす万能主人公。人間じゃなくてロイミュードを言われても信じられるぐらいの高スペック主人公でした。
そして徐々に武器が変化していくのは面白かったです。
最初に彼女で覚醒して弓を武器として使えるように。
次に親友の死で覚醒して木刀を使用可能に。
最終的に家康の形見の刀でウォズを惨殺。
さすが主人公。優遇されすぎている気もしないでもない。
ラストバトルで彼女が傷つきさらに覚醒して弓と刀を両方使い始めるかと思ったのですが流石にそれはなかった。結構絵的に面白そうな気もします。

映画
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