映画 コンフィデンスマンJP -英雄編- 感想

映画 コンフィデンスマンJP -英雄編-
ネタバレありの感想です。
(1月22日色々と追記しました)
ドラマ版はだいたい観てます(運勢編は観てない)
映画は2作とも観てます。
以下ネタバレありの感想です。

・感想

詐欺師しかいない。
今までもターゲットが実は仲間(ロマンス編)などの展開があったりはしたのですがここまで徹底的に登場人物が詐欺師だったのはなかったような。
名前ありの人物で詐欺師でなかったのは本物のマルセル真梨邑ぐらいじゃなかろうか。
そんな終始詐欺師と詐欺師が騙し合う、まさにコンゲームといった内容でしたが…面白かったです。
内容的には今までのコンゲームの複合的(ターゲットが仲間の詐欺師、ボクちゃんが一人蚊帳の外、オサカナが詐欺師)な作りであり、目新しい要素はなかったと思うのですがその流れが良かったですね。

まずターゲットが仲間の詐欺師について。
熟練の詐欺師を騙すためにお宝自体は本物を用意。ダー子たちなら手持ちのお宝でもそれなりのものを持っていそう(最後のゴッドファーザーに送ったものとか)ですがプリンセス編のコックリ活用。
ガチの大富豪なので所有、そして貸し出しの流れに全く無駄がなくそりゃ騙されるって話ですよ。本物なので。
さらに刑事役もお仲間。実際ツチノコを騙すというよりボクちゃんを騙すための起用だった気もしないでもないですがここまで徹底して詐欺師で固めた回はなかったと思われます。

次にボクちゃん。
1人奮闘してちょっと可哀そうでしたがツチノコを騙すためには一番重要なピースだったとは思います。そこそこ熟練の詐欺師が騙されればツチノコも油断はしますよね。他の2人と違って完全に騙されてますから。
観てる側としても騙す側の1人が実は騙されていた、というのは予想しづらかった…かもしれないですが前にもボクちゃん騙されていた事はあった気がするのでわかった人もいるのかもしれません。

最後にオサカナ。
当面オサカナとしていた人物が(というか今回はオサカナ決定の場面は最後まで明かされてはいなかったのですが)実は詐欺師仲間、というのはロマンス編でもありました。
本当のオサカナが詐欺師というのはなかったような。ロマンス編のジェシーは…ちょっと違うはず。メインのオサカナはゴッドファーザーでしたし。
敵側がダー子側と同様の規模の詐欺を行っている詐欺師グループというのは初めてだった気もします。
今までも騙し騙されの要素はあり、その延長線上と言えなくもないのですがその相手を騙す流れは非常に良かったと思います。
少なくともボクちゃんは完全にツチノコにやられてましたし。
…とここまで考えると実際のオサカナはツチノコじゃなくてボクちゃんだった気がしないでもないです。
コンフィデンスマンボクちゃん編。

実際ラストでは英雄は遠くの存在するかわからない存在ではなく身近にいる自身の力となってくれる存在というまとめ。
ダー子にとっての英雄がリチャードであり、ボクちゃんである事を考えるとコンフィデンスマン英雄編の本当のターゲットが実はボクちゃんであったであったというのはある意味妥当な展開だったのかもしれません。
(最終的にダー子が現金を騙し取ったのもボクちゃんだけというのも本当はボクちゃんターゲットだったという感じがしなくもない)

展開的にもストーリー的にも最終章と言われても違和感のない、とても良い作品だったと思います。
単品で観ても楽しめるけれども今までの作品を観てきた人はもっと楽しめる、そんなとても良い作品でした。
最終的にダー子が3代目ツチノコに騙されていた、というオチも非常に良かったと思います。あれだけ詐欺師グループが騙し騙されした上で結局本当に騙していたのはツチノコであり、ツチノコの手のひらの上で踊らされていた感があって。

・五十嵐

結局スパンキングも顔面殴られも全部自作自演、というかほぼツチノコを騙す為の前フリのボクちゃんを騙すだけにやっていた気がします。
つまり今回一番体を張ったのは五十嵐に間違いない。
毎回一番体を張っているような気もしないでもない。前は撃たれかけてた気もしますし。

・ゴッドファーザー

もうダー子一味でいいんじゃないのでしょうか?
しかし恐らくダー子の私物から50億(以上?)の補填があったという事はやっぱりゴッドファーザーはダー子のお気に入りという事でよろしいでしょうか?
そういえば被害届云々は全部仕込みと考えると実際には出してないって事ですよね。たかが一刑事の土下座ぐらいでこいつが動くわけもないのでよく考えれば当然っちゃ当然なのですが。

・コックリ

リアル大富豪による仕込みが怖い。
本物用意されたらそりゃ騙されるのも当然なのでは…。本物ですし。
ダー子もそれなりの私物は持っていそうですがコックリは私物の総数の桁が違う気がする。
しかし前作のメインキャラを有効活用するのっていいですね。

・波子

今回地味に一番稼いだのはこの人じゃないでしょうか。
ミミズもダー子からだまし取ったのが5万ユーロだった気がするのですがこちらは持ち逃げした資金の桁が違う気がする。というよりリチャードが資金横流ししているようにも思えますが。とにかく一人勝ち逃げ状態。

・丹波

こちらは本物だと思ったのですが…完全に騙された。
本当に今回詐欺師しかいない。

・三代目ツチノコ

あの変装は自作なのでしょうか?
恐らく今回単独で行動していたと思うので多分自作ですよね。
ダー子をあっさり騙すあたり師匠格という訳ですね。
というか今回のは詐欺というより弟子たちの様子見ついでにからかいに来ただけにみえる。ボクちゃんはともかくダー子は5万ユーロぐらい詐欺られても気にもしないでしょうし。

・城ヶ崎善三

ゴッドファーザーとあわせてもうレギュラーですよね。完全に。
まあセットみたいなキャラになっているのでゴッドファーザーが出演する限りこの人も出続けるのでしょう。

・ジェラール・ゴンザレス

この人も完全に仕込みとは…麗奈がうさんくさいからこっちは本物かと思ってしまった。マフィアというのは本当だったらしいですが。
その辺りの人選はきっちりやったからこそツチノコを騙せたとは思いますが。
しかしシナリオ通りとはいえ五十嵐をスパンキングするダー子を見て信用する、という流れに本人は疑問を抱かなかったのでしょうか?

・畠山麗奈

最初から胡散臭かったので4代目ツチノコ配下だと予想しながら観ていたのですが…いや全部子猫だとは思いませんでした。
心肺停止の辺りは物凄い仕込みくさいなと思ったらツチノコの仕込み、と見せかけたダー子の仕込みとは思いもよらなんだ。

・ジェシー スタア

こういう形での出演ってありなんですね。色々とありましたが個人的には活躍(?)してくれて嬉しい。

・マルセル真梨邑

「英雄ってのはさぁ…英雄になろうとした瞬間に失格なのよ」
という格言があるのですが…いや格言ではなくある意味先輩からのありがたいお言葉があるのですがぴったりでしたね。
それはともかく怪しいキャラだなとは思っていたのですがなりすましだとは思いませんでした。いや冒頭のシーンからすると長期間マルセル語っていたようなので。ちょっと設定的に無理があったような気がしないでもない。
語った設定も全部嘘でしょうし。彼はフランス(でしたっけ?)と京都のハーフの設定だったはずですが実際は他の種族とのハーフだったのでしょう。

・リチャード

ダー子とボクちゃんは師匠であるツチノコから名付けられたっぽいのですがリチャードは違っていそう。
2人とは別格扱いだったのか、それとも最初からある程度活躍してからツチノコに弟子入りしたのか。ちょっと気になります。

・ボクちゃん
よく考えたらダー子は師匠の血縁関係っぽい気もしますがボクちゃんは血縁関係全くないですよね。多分。
…つまり本質的にボクちゃんという事を師匠に見抜かれていたという事でしょうか。今回の件を見る限り本当にボクちゃんでしたがそれゆえにツチノコ退治に貢献できたある意味本当の英雄。な気がしないでもない。

・ダー子

結局のところダー子という名前はテレビ版最終話の話のやつではなく駄々っ子ダー子という事で良いのでしょうかね?
結局三代目ツチノコとの関係はあやふやなままでしたが…その辺は想像にお任せします的な解釈でいいのでしょうかね?
そもそも最後の演出見る限り三代目ツチノコの顔も本当の顔か怪しいですし。ルパン三世のあのおなじみの顔が本当の顔でない(あれも変装らしい?)のと同様に。
まあ本当の親だとしてもダー子は気にする事もない気がしますが。今いる仲間が全てな気がします。

・鳥獣戯画

エンドロールで挿入歌(?)鳥獣戯画、と書いてあって何事かと思ったらラストのあれですよ。
いや恒例のやつなのですが…いや鳥獣戯画って…。本当になんでもありですよね。

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