仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル 感想

ハッピーバースデー!続編を望む欲望の誕生だ!
仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル ネタバレありの感想です。
・感想
”失う 恐怖 が 欲望 の 原点 だ と 言う”
小説版オーズからの引用ですがこの作品はファンからの欲望を極限まで引き出そうとしているに違いない。
個人的には平成ライダーの中でも仮面ライダーオーズの最終回はトップクラスに好きな作品なのですが…この終わり方はあまりにも酷い。
そもそもオーズはテレビ版本編で綺麗に終わっている作品。
確かに最終回ではアンクとの別れはあったのですがアンクは自身の欲望が叶った事により満足して逝った訳です。
さらに映司は映司で自身の欲望の叶え方を知った。アンクを復活させるという欲望も生まれた。
オーズは欲望をテーマの一つとした作品であった訳ですが映司とアンクに関してはそれぞれの欲望の生まれた原因、そして結末まで描き切っている訳です。
その綺麗に完結した作品に対してファンが10周年記念作品で望む事は映司の死であったのでしょうか?
確かにアンクの復活を待ちわびたファンは多かったと思います。しかしその代償として映司が死ぬという結末は誰も望んでいなかったはず。
さらに言えばアンクの復活の方法。
他のグリードが先代オーズの手によって復活したのであればアンクも同様の方法で復活してよいはず。
コアメダルの損傷度はむしろ他のグリードよりも軽いものでした。
なぜアンクだけ映司の手によって、しかも極めてあいまいな方法で復活したのか。
欲望が重要なテーマの作品ではあるのですが欲望がもつエネルギーそのものがコアメダルに影響を与えるという設定はないはず。
10枚のコアメダルから1枚を抜き取った事によりグリードが誕生しましたがそれはあくまで自身の欠けたものを取り戻したいというコアメダル自身の欲望から。他者の欲望そのものがコアメダルに影響を与える可能性は低いと思われます。
仮に映司の欲望がそれほどまでに強いものだったとしても…最後に自身を諦めるという選択をとってほしくはなかった。
世界中どこまでも届く手を手に入れる事は出来なかったけれども届く方法は見つけた映司。だからこそ自分の手を伸ばす事を諦めてほしくなかった。
逆にアンクは映司から突き放されようとその手を無理やり掴むぐらいの事はしてほしかった。
誰よりも欲しがった命を貰い、その命を託す決意をした相手が死ぬのを見過ごすような真似はしてほしくなかった。
他にも細部で色々と不満点はありますが…テーマ的に最重要である欲望の扱いが酷いという事を強く思いました。
この作品を観たファンの想いが新たな欲望、映司復活を願いそれが新たな作品を生む。かつての綺麗な思い出を失う恐怖を欲望として。
そういった事を製作者側が狙っているのだとすれば…いやなさそうですね。
10周年の完全にファン対象の作品である以上もっとファンが望む作品を作って欲しかったと思いますが…その願い、欲望が叶う日は来るのでしょうか?
・世界設定
世界が崩壊寸前という設定は必要だったのでしょうか?
人間滅亡寸前というと555のパラダイスロストやゼロワン1作目の映画を思い出しますが555はパラレルワールド。(さらに言えばその状況下でも人間に味方する巧の姿が印象的)ゼロワンは本編と繋がっていますがリセットされる世界(こちらもヒューマギアがシンギュラリティに到達するにあたり重要な要素となっていた)。
対してこちらは先代オーズを倒したとしても絶望的な未来が確定している世界。MEGA MAXに繋がると仮定すればアクアが誕生するまで人類は生存する事は確定なのですが…それにしても特に意味のなかった設定としか思えませんでした。
今回これだけに限らず特に意味のない設定や変身が多かったように思えます。
・バースX
マニュアル人間の後藤さんが見切り発車をしてまで使用したフォームなのに…。
スピンオフ登場の新フォームではトップクラスに扱いが悪いのではないでしょうか?せめてグリードが残っていれば違ったのですが…ゴーダしか残ってなかったですしね。
新フォーム出すなら出すでちゃんと見せ場を作ってほしかったと思います。
・グリード
まともに戦闘せず退場というのはどうなのでしょうね。
この辺は尺の関係上仕方ないとは思うのですが…(他にも里中とかほぼいるだけ状態)バースX対グリード3体(カザリ、ガメル、メズール)じゃダメだったのでしょうか?
・ウヴァさん
逆にウヴァさんの扱いは非常に良かった。
「でてきやがったな。虫けらどもが!」
「やつのコアメダル奪ってきてやる」
などなど個性的な台詞が多く、さらには自身のコンボにやられるウヴァさんが素敵。本編で自分のコンボにやられたグリードはいなかったような…。
そもそもウヴァさんネタっぽい扱いに反して最強クラスのグリードのはずなんですけどね。唯一致命傷を与えられるプトティラの攻撃が通用しない時点でほぼ最強クラスのグリードのはず。ただし完全態は。
自分のコンボを使われる=自分のメダルが奪われている状態なので本領発揮もできるはずもなく…まあその辺もウヴァさんっぽいというか。
この作品で一番優遇されていたと思います。他が冷遇されすぎていたとも言えますが。
・伊達明
伊達さんはいつまで経ってもカッコいい。
序盤でバース使えなかったのが逆に良かったのかもしれません。どうせ使えてもプロトバースだろうしバースで活躍はできなかったと思われるので。
しかし作品とは関係ないのですが最近映画で観る伊達さん役者さんのキャラが濃すぎてそっちの印象が強すぎるのが難点(ぐらんぶるとか純烈ジャーとか)
オーズの伊達さんも非常に濃いキャラなのですがこの作品だと若干薄目。
・後藤慎太郎
ネット版の方でさも活躍しますよ、的に登場していたのに…ほぼやられ役。
まあ主人公はさも活躍しますよ、的に登場していたのに本編では最初からほぼ死んでいたようなものなのでそれに比べたら…マシ?
・先代オーズ
もうちょっと台詞増やしてほしかった。
この作品見た後に同脚本の人が書いたオーズの小説読み直したのですが…あっちの方が良かったですね。
まあそもそも何で復活したか一切の説明なし(だったはず)なので…先代オーズに関しては単なる強い敵以上の設定にする気はなかったのでしょう。
・ゴーダ
比較的良いキャラだとは思うのですが…元々のオーズの脚本の小林先生だったらもっとよいキャラになっていたと思うと残念。
映司の願いを曲解してもっと癖の強いキャラになっていたと思うのですよね。世界制覇すれば逆らうものはいなくなる=完全な世界平和、みたいに。
悪いキャラじゃなかったと思うのですが映司から生まれたグリードにしては若干キャラの個性的に弱いかなと思いました。
・タジャドルコンボエタニティ
変身音声は良かった。それだけの存在。
これからもオーズが戦えるならともかくあらゆる意味での最終フォームなので…。
・映司とアンク
感想の方で長々と書いたので簡単に。
本編との対比させて色々とやりたかったのは解るのですが…もう少しファンが納得のいく結末を用意してほしかった。

特撮
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