・感想
今回の話はメインキャラクターたちの二面性が描かれていたと思われます。
全く表裏が無い桃井タロウは除いて…はるかもちょっと怪しいので置いといて…出番がほぼ無かった真一も置いといて。
まず逃亡犯…ではなく犬塚翼。
逃亡犯という職業柄(職業不詳?)メンバー内で一番性格が犯罪者よりではあるのですがある程度の良識は持ち合わせている訳です。
ソノニを助けた(結果的には男の方が助かっている訳ですが)件もあり、決して望んで犯罪者となった訳ではありません。今現在着々と犯罪を積み重ねている事は置いといて。
ソノイも決して人間が嫌いだからヒトツ鬼を襲っている訳ではありません。むしろ本人曰く人間の命は何よりも尊いと言っていました。だからこそ逆にその人間の命と自分たちの世界を脅かす欲望にまみれた人間は嫌いなのでしょう。ソノニ、ソノザと違いヒトツ鬼となる可能性のある人間を積極的に狩っているのも誰よりも人間の命を尊重しているから、かもしれません。
その人間の行動には理由があり、時としてそれが二面性として表れているだけなのかもしれません。
そしてその極端な二面性が描かれたのは雉野つよし。
歴代の戦隊でも非常に珍しい一般市民を犠牲にした戦隊ヒーロー。いや元々も敵だったキャラを除けば意図的に市民を殺害した(といっても過言ではない)戦隊ヒーローは彼が初ではないでしょうか?
少なくとも自分は他に例を知らない。
彼も決していたずらに人を傷つけるような人ではありません。
おにぎりの件では桃井タロウに虐げられて…鍛えられていた従業員にも慕われていたほどの良い人。
困っている人がいれば自分の身を犠牲にしても助ける、ある意味人に尽くし過ぎた桃井タロウに近い人物だったと言えるでしょう。
しかしそんないい人もソノイのように条件付きである事が判明。誰よりも大事な人間、みほの為だったら他の誰を犠牲にする事も厭わない。
これまで良い人である、他が奇人変人の集まりであるドンブラザーズに置いて唯一の良心と言えるべき存在であった雉野の極端な二面性。
(…よく考えたら三日天下で描かれていたような気がしないでもない)
果たして今後彼はヒーローとして成長していくことが出来るのか。気になるドン8話 ろんげのとりこ 感想でした。
…色々付け加えたい。
今回の話。東映公式では人間関係をパーマンであると書いてあったんですね。ヒーロー同士も互いにその正体を知らない正義の集団。
今回の話はこのパーマン方式だからこそ出来た話ではないかと思います。互いに正体を知っていたらなかなか今回の行動に踏み出せない(タロウは知っていますが)ですよね。素性を知っている訳ですから。
そもそも話現時点では雉野はヒーローであるかどうかすら疑わしいですしね。
これまで徹底してドンブラザーズはヒーローではなく戦士であると言われてきました。各個人が得た力も世界を守る為ではなく自分の為に使用している訳です。
さらに言えば敵の正体を知っているのも鬼と猿のみ(タロウは興味なさそう)
困っている人がいれば正義感から助けていた訳ですが…つまり逆に言えば自身が守りたい人がいればそちらを優先するのは当然な訳なんですね。
ある意味最初から雉野の行動は一貫性があると言えるでしょう。それが良いか悪いかは置いといて。
まあなんにせよほぼ直接的に市民を殺害してしまった訳なので彼には反省していただきたいところ。
反省しても魔進鬼は帰ってこない?
大丈夫。ドラゴンボー…いや違うキビポイントがあるじゃないですか。とりあえず彼には魔進鬼復活の為にキビポイントを貯めるところから始めてほしいですね。
以下雑記
・桃井タロウ
タロウ「あんた腕が立つな」
ソノイ「どうやら余計なことをしてしまったようだ。あなたが本気になればあんなやつら相手ではないでしょう」
タロウ「俺は人は殴らない」
ソノイ「素晴らしい。宅配のお仕事ですか?」
タロウ「ああ。だが俺が運ぶのは荷物だけではない。幸せを運ぶ」
ソノイ「またいずれ。不思議ですね…。あなたとはまた会える気がする」
基本的にタロウとソノイはスタンスが似てるんですよね。共に無駄な暴力は振るわない。しかし降りかかってくる火の粉は払う。
能力も近ければスタンスも似ている。気が合うのも当然な訳なのですが…やっぱりタロウは脳人、もしくは脳人に近い存在に思えます。
しかしスタンスが近いと言ってもタロウは人と人の縁を大事にする。だからこそ人そのものを消すまではしないのですがソノイは…。
「ジュウオウジャー!」
タロウ「この俺をなめるなよ!」
「トッキュウジャー!」
タロウ「出発進行!」
「パトレンジャー!」
タロウ「実力を行使する!逮捕だ逮捕!」
「ルパンレンジャー!」
タロウ「アデュー!」
これが前に言っていた…
タロウ「俺は全てを知っているわけではない。俺にはやるべきことがわかっている。それだけだ」
はるか「何それ。全然答えになってないし」
タロウ「なぜいちいち理由を求める?やるべきことは今置かれている状況が教えてくれる。それでいい」
ってやつですね。
理由は知らないけれどもなんとなくそれっぽい台詞を言わないといけない。それが(おもちゃ販促の)やるべき事がわかっている、というやつですね。
・鬼頭はるか
はるか「マスター。ほら、あのお客さん。私のこと絵にしているみたいなんですけど困るんですよね。勝手にされると。プライバシーの問題というか…。注意してきてもいいですか?」
介人「いいよ」
はるか「ちょっといいですか?はっきり言って迷惑なんです!私モデルとか嫌いで…。気持ちはわかりますけど。はあ?マスター⁉」
榊「ダメだ…。どこにいるんだ?俺のモデルは。俺の才能を引き出してくれる理想のモデルは…」
はるか「描きます?」
今回出番が少ないのにこの一連のシーンのインパクト。つよし回でなければの存在感が強すぎたと思います。
勝手にモデルにされるのは困る→注意(モデルにしたい気持ちは理解できる)→違う人だと判明→モデルにしない?
なんというかはるかは不思議コメディの登場人物に見える。というか浦沢脚本に出てきそう。
・雉野つよし
翼「なんだ?話ってのは」
つよし「はい。実は…。ごめんなさい!この間の立てこもり事件の時に無実だっていう犬塚さんの言葉、僕信用してなかったんです。でも今なら信じられます。夏美さんでしたっけ?犬塚さんには本当に大切な人がいる。だから…」
翼「それがあんたの人を見る判断基準か」
つよしの判断基準は大切な人、というより心の底から大切に思える人がいるって事なんでしょうね。大切な人ならいたずらに人を傷つけない、嘘はつかないという判断だと思うのですが…。
つよし<あの男はみほちゃんを襲った。そんなやつはこの世にいちゃいけないんだ。みほちゃんは僕が守る。絶対に。たとえ相手が誰でも何をしても…>
必要であれば人を消去する事も厭わない。かなり怖い性格ですね。
ドンブラザーズメンバーはそれぞれ表と裏の顔があるようですが…
例えば
タロウ→変身前と変身後
はるか→どれが表でどれが裏かわからないけどある事はある…と思う。
真一→一見裏表なさそうだけれどもタロウに対する対抗心
翼→粗暴な逃亡犯の顔。大切な人への想い。
など挙げられますがつよしが一番なさそうだったんですよね。いい人に良い人。だったのですが…一番やばい。翼も夏美の件でここまで変わるかどうかわからないですし。
彼のキビポイントが今どうなっているのか非常に気になるところです。
・ソノイ
ソノイ「なぜこの世の平穏を乱すのか…。なぜ自らの静けさを求めぬのか…」
平穏を乱す事を嫌うソノイ。何故、と理由がわかっていない事から脳人たちには平穏を乱す人物はいないと思われます。
というかそもそも感情の起伏がほとんどないんですよね。脳人って。静けさを求めた結果(静けさを乱すものを排除していった)現在の脳人の世界が生まれたように思えます。
最終的には人間から感情学んでウィンウィンみたいな終わり方になるような気がしてきました。
タロウ「よくやったな、あんた」
ソノイ「あなたも。私は人間の命は何よりも尊いと思っています。だが条件がある。私は人間の過剰な欲望を憎みます。それはきっと…世界を滅ぼす」
タロウ「…かもしれないな」
ソノイ「きっと」タロウ「…かもしれないな」
と断言はしてないんですよね。危ないかもね、という認識。
それでソノイはその危険性を排除。タロウは間違っていたら修正する、というやり方でやっているように思えます。
どちらが正解とは言えない(ソノイは排除時点で被害者が、タロウは犠牲者が出る可能性がソノイに比べて高い)ので難しい問題ではあるのですが…問題は”過剰”という箇所ですかね?欲望なしに現在の世界は作れないですし。
関係ない漫画の話にはなるのですがダンジョン飯という漫画で欲望のほとんどを食われた人物が登場するのですが…全員が全員ああなったらそれこそ世界は終わりですからね。多少の欲望が必要なのは間違いではないと思います。
・ソノニ
ソノニ「それがお前の愛の言葉なのか?」
男「そうそう…愛しちゃった」
ソノニ「フッ…つまらない」
なんだろう。ブラックコンドルなら満足させられそうな気がする。音也なら間違いない。そんな印象があります。
このままソノニは翼とつよしと絡む回が増えるのでしょうか?真一は絶対にない。
ソノニ「言え、お前の愛の言葉を」
翼「言葉といえばまだ礼を聞いてなかったな」
ソノニ「…ありがと。さあ、お前の番だ。愛の言葉を」
翼≪この女どっかで会ったような気がするが…気のせいか…≫
ソノニ「私は愛が知りたい。教えてくれ」
翼「愛を知りたいならまずは自分で誰かを愛することだ。俺には大切な人がいるんでな。他の女に興味はない」
愛を知りたい人間(脳人ですが)に愛しろっていうのは理不尽。まあ翼的には全くソノニに興味がないだけだと思いますが。
そういえばまだ敵幹部と対面したキャラっていなかったですかね?そもそもメンバー内の人間関係すらあやふやですが。
敵幹部と戦隊メンバーの恋愛、ジェットマン以外だとカーレンジャーを思い出しますがあれも終盤(最終回?)まで変身前と変身後が一致していなかったですよね(レッドレーサー)。
ソノニが誰かを愛するとしてそれがメンバー内の誰なのか、そしてそれが変身前なのか変身後なのか気になります。
根拠はないですが変身前のつよしと予想しておきます。なんとなくみほに一度捨てられて(というか疎遠になりそう)その間に色々ありそう。
・榊
榊「妙なマネはするな。命はないぞ。うっ!な…何っ⁉貴様…!」
こいつはアマゾンズを観ていないのか。美容師に隙を見せたら切断されてもおかしくはないというのに。あの話はあまりの早業にびっくりしました。アマゾンズの世界の人間超怖い。
ところで今回のサブタイトル、ろんげのとりこって何がとりこだったのか気になります。ろんげで捕り子だったらわかる。
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