新サイトの初更新に相応しい映画が見つかったので感想を。素晴らしい映画でした。
映画 必殺!恐竜神父
ネタバレありの感想です。
ネタバレを気にする・・・この映画で気にする人はいるのだろうか?
ネタバレを気にする人は先に観て下さい。いや観ろ。
・感想
驚異のamazon平均評価4.1に相応しい作品。(令和4年10月27日時点)
何が一番素晴らしいかと言えば・・・色々語るべき事が多い作品ではあるのですが一番は終始徹底してその作品のテーマを貫いた事ではないでしょうか?
まず冒頭。
主人公である神父の台詞
「ヨブ記の最も素晴らしい教えです。苦しみながらもー」
と一見タイトルから考えられない真面目なシーン。
もしかしたらこれはふざけた邦題をつけられてしまったB級映画なのでは?とタイトルに惹かれ見始めた視聴者を失望させてしまう内容と誤認してしまう幕開けでしたがその直後。
仕事が終わり教会から出る主人公を笑顔で迎える両親。
両親に駆け寄ろうとするも爆発がおき、伏せる主人公。
そして直後に「ー特殊効果:炎上する車」と表示される字幕。
何を書いているのかわからないと思いますが要は予算が無いから爆発四散した車と両親を想像してね、という事。
低予算映画ではあると思うのですがこれは思い切った表現。
昭和の映画でも全く許される事のない表現ですがこれが作られたのはごく最近(2018年制作?日本版発売は2021年)。
令和の時代にジュラシックシャークのチープさを超える演出を観る事になると思いませんでした。
そしてこの手のシーンは冒頭に収まることなく終始続いていきます。
しのぶ気が無い謎のチャイニーズ忍者集団。
日本の低予算の地方特撮でもあり得ないチープな恐竜。
劇中歌の途中で差し込まれる「翻訳が下手クソで迷っちまった」
鉢巻きでネタバレを押し付けてくる謎の忍者
ラブシーンで唐突に表示されるラスボス
等々徹底して低予算でも構わない。俺は観客を楽しませるぞ、という気概に溢れた作品でした。
アマゾン評価4.1も納得の作品。
金だけかけて監督の作りたいものを作る映画の多いなか。
低予算でもいい。皆の笑顔を見たいんだ、という素晴らしい作品・・・だったのかどうか定かではないですが個人的には超オススメな映画でした。
開始5分でつまらないと思った人は即視聴を中止した方がいいと思いますが。時間の無駄。
逆に5分で爆笑した人は最後まで観る価値のある作品。
以下雑記
・冒頭シーン
車両爆発により両親が死亡・・・?
あまりにも雑な冒頭シーンで何度か見直してしまいました。
昭和の時代にもなんとく察してね、というシーンはあったような気がしますがこれだけ酷いのはそうそうない。
ただし何があったのか観客に見せようとする心意気は買います。
ジュラシックシャークとか見せ場ほぼすっ飛ばした・・・見せ場なんてなかったような気がする。
・神のいない国
日本なのか中国なのかはっきりしてほしい。
少なくともあのタイプの忍者は中国にはいない。
いやよく考えたら日本にもあんなステレオタイプな忍者はいなかったような・・・この映画でよく考えようとしている時点で負けですね。
しかし予算が無いとは言え「中国」とハッキリ表示しなくてもいいと思う。いや解り易いっちゃわかりやすいのですが。
・竜の戦士
完全に謎の女性から完全に謎の物質が手渡されたのですが。
恐らく竜のキバだと思うのですが・・・何故あれで変身できるのか。そして何故あんな危険物を運んでいたのか。
そしてあの後取り返しに来なかったのはなぜなのか。
よく考えたら負けですね。
いやでもラストシーン。やつらの仲間は世界中にいるって言っていたのでチェンを通じて取り返そうとしていたのでしょう。多分。
それはともかくこの後何も説明なしに教会?に戻されるのは不親切だと思います。中国に行ったときには「中国だ」とはっきり言ってくれるぐらい丁寧な映画なのに。
あと竜の戦士じゃなくて竜ですよね?
・キャロルとの出会い
・・・なんであんな場所キャロルは一人で歩いてたの?
あそこに客はいないですよね。
それとも何か。ニューヨーク(かどうか知らんですが)は街中歩くよりも郊外の方が危険度が低いって事ですか?
さらに言えばこの後何度もこの場所出てくるのですが・・・特撮の爆発OKな採掘場みたいなところだと認識しておけばいいのでしょうか。
多分街中でアクションシーン撮影の許可が下りなかったに違いない。
・遺体探しするダグとキャロル
キャロルの衣類を借りたダグに突っ込むべきシーンだとは思うのですが・・・この映画でそんな些細な事を突っ込んでいたらいけない。
この後教会に戻る前に服着替えてましたが教会以外にあの服おいてあるならそちらで着替えてから探索すればよかったのでは?
・フランキーマーメイド
あっさり自供。あっさり死亡。
この映画の良いところは悪役があっさり情報を自白して物語がスムーズに進むところだと思うのですよ。その後は後腐れなくあっさり死ぬし。全体的に進行がスムーズ。
同じ場所でグダグダ話続けて話が進んでいるのか後退しているのかよくわからないジュラシックシャークと雲泥の差。
しかし結局なんでボスがダグの両親を殺したのかよくわからなかった。
サムの指示ならわかるのですが。
多分ボスがサムだったのでしょう。そう思う事にします。
・特訓シーン
劇中歌「翻訳が下手クソで迷っちまった」
劇中歌に突っ込む字幕は初めて見た・・・その後さらに突っ込んでるし。
まあそれはともかく竜の戦士となったダグがきちんと筋トレしているのは良いですね。普通過ぎて単なる筋トレにしか見えないのが残念ですが。
・ラスボス登場
観なおしてみたらサムの鉢巻きに何も書いてなかった。最終決戦時、気合を入れる為に描き直したのか。
しかし上記の主人公特訓シーンが霞むぐらいやる気のないトレーニングしてますね。
下手なB級映画だとこの辺のアクションだけ凄まじく(ゾンビとニンジャが戦う映画があったけどアクション”だけ”は凄かったような)ひょっとしたらこれはアクション大作映画では?と勘違いしてしまう事があるのですがこの映画はそんな希望を抱かせない、ストレスフリーな映画ですね。
・・・いや中途半端に期待すると後で落胆するじゃないですか。
・両親との回想シーン
この映画唯一の心温まるシーン。
だと思ったらサムがいた事が明かされ一転してホラーに。
家でのやり取りはともかく車でのやり取りは無理がある・・・いや全体的にこの映画無理しかないですね。
・神父回想シーン
名前不明。調べればわかりそうですが名前を調べる気にもなれない。
しかし死亡フラグ立てまくりで話していたと思ったらあっさり死亡。
そりゃ戦地ど真ん中で笑顔で突っ立っていれば死ぬとは思いますが。
そして婚約者。
・・・いやそっちが死ぬのか。回想シーンだから神父が死なないのはほぼ(絶対と言い切れないのが嫌ですが)確定なのですがあまりにもあっさり死亡。とはいえあまり本筋に関係ない人物の回想なのであっさり目でもいいとは思うのですが。
・エクソシスト
「魔物を解き放ってしまった」
もしかしたらこの台詞は2020年にもなろうというこの時期にこの映画を世に放った事を示唆しているのかもしれない。
・雑魚ニンジャ
神父に続いて雑魚忍者も回想か・・・と思ったらキャンセルされた。
まあ神父の回想自体ほぼいらないのに雑魚の忍者の回想なんてなおさらいらないので英断ですね。
雑魚忍者の回想しようと判断する時点で間違っているとは思いますが。
・ラブシーン
なぜこれまでの思い出的な背景にラスボスが映っているのか。
そしてやたら画面を分割していたのですが学生が授業で編集してみよう的なノリで作ってしまったのか。色々疑問に思います。
しかも何かに配慮したのか事が済んだ後、下着で寝ているという不自然さ。
・・・その後キャロルのバトルシーンがあったから下着は必要だったんですね。
と納得しそうになりましたがそれならそれで服を着ればいいじゃないですか。
ラブシーンは撮りたい。その後のエッチなシーンも撮りたい。でも裸で戦うとこのご時世いらんクレームが来るかな、と色々葛藤があったに違いない。
しかしキャロル無駄に強いですね。
そしてその後。雑魚忍者が無駄にペラペラ情報喋ってくれて本当に進行がスムーズ。
・聖アムステルダム学園
・・・学園?
テントにしか見えないのですが・・・これもVFXですかね?
・サム
鉢巻きでネタバレをするな。
いや日本人しかわからないけれども「兄弟」て。
日本人に見せる気はなかったのかもしれないですが・・・いやでも実はあのハチマキに伏線が!的なネタは嫌いではないので良かったと思います。
しかしこのシーン。上でも書きましたが完全にホラーですよね。
そしてその後の先祖の剣。
どこからその設定が出てきたのかわかりませんがそりゃ祖先の剣なら二人とも使えますよね、という展開。
そしてその祖先の剣を使って兄は弟を刺す展開。
このシーンを見て先祖は何を思うのか。何故か誇らしげなダグを見てどう思うのか。ちょっと気になるところですが深く考えたら負け。
・キャロル
強すぎ。
いや雑魚忍者が弱すぎなのか?
トレーニング風景に似合った強さ。
その分ゴリアテは強かったですがかませにしかなってなかったですし・・・。
しかし他の登場人物は予算の関係か木っ端みじんになったりすることが多いのにキャロルは薄皮一枚斬られただけで吐血していたような。多分何か別の病気ですよね。職業を考えたら健康状態あまりよくなさそうですし。
・・・でなんで雑魚忍者がこのシーンで涙しているのか。やっぱり深く考えたら負けなので止めときます。
・ラスボス戦
膝に矢を受けてしまってな・・・。
いやそんな便利なものがあれば最初から使えよという話。
と言ってもあの雑魚忍者の強さをみる限り弓使えるのはボスぐらいだったと思いますが。
そしてなんか色々あったあと(重要な説明があった気がしますがこの映画を理解するにあたって重要な設定はない)仮面ライダーシンのような必殺技ぶちかまして終了。
この映画の予算を考えたら結構頑張っていたような気がします。少なくともジュラシックシャークよりは盛り上がっていた。ような気がする。
・ラスト
何故この映画でガンジーの台詞を引用したのか。
やっぱりほぼ無傷だったキャロルは強かったのか。
「彼女は元気です」という字幕は必要だったのか。
そしていかにも次回作がありますよ、といういらない伏線は必要だったのか。
それは全て神のみぞ知る事ですね。きっと。
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