映画 母性

映画 母性
ネタバレありの感想です。

原作小説版のネタバレもあります。

以下感想

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感想


原作の雰囲気は良く出ていると思います。

良い実写化映画だったのではないかと思います。
個人的に一番良かったのがキャスト。
個人的なイメージそのままのキャストで全員はまり役。

特に良かったのが永野芽郁。
物凄いイメージ通り。
特に祖母の寄付云々について話す場面。
映画で実写化したらこんな場面になるんだろうな、というイメージ通りのシーンとなっていました。

その他キャストもほぼほぼイメージ通り。
永野芽郁の子供時代の子役も演技うまくてこちらも良かった。
大人、というか母親の顔色伺いながら行動しているんだな、というのがよくわかる演技だと思いました。

とは言え完全に原作再現という訳でもないのですが・・・これは仕方ない面があると思います。
映画だと中盤バッサリカットしてましたからね。
おかげで憲子なんて存在自体カット。当然英紀とそれにまつわる話もカット。

憲子と英紀がシーンがあると母親に対する印象も変わってくると思うのですが・・・まあ尺的に仕方ないですよね。

映画のテーマは母性。
それに関しては2時間という枠組みの中では十二分に表現されていたと思います。

原作読んだ人で映画を観に行きたいと思った人は結構満足できたのではないかなあと思います。

ただちょっと言いたい事が。
映画の予告観て観に行った人たちは満足できたのか疑問。
あの予告だと若干コメディよりに見えないですかね?
実際はコメディ要素ほぼ無くひたすら暗い過去話が続いていく、といった感じに見えると思うのですが。

原作知ってればそういう映画だとわかっているので問題ないと思うのですが予告を見て行った人たちは肩透かしをくらうような映画だったと思うのですが・・・どうなんでしょうね。

個人的には満足な作品でしたが予告を見て作風を勘違いした人はどう思ったのか、気になってしまいました。

以下雑記
原作ネタバレあります。

高校の教師


ほぼほぼ原作通りで満足と書きましたがここは不満。
最初から顔も隠さず永野芽郁を使うのはどうなのかと。

原作だとあたかも国語の教師の元教え子が永野芽郁でそれに関して話をしている風なミスリードになっていたと思うのですが映画だと最初っから教師が永野芽郁だと判明しているんですよね。
あそこはもう少しどうにかならなかったのかなあ・・・というか逆に教師たちのシーンバッサリカットしてラストだけ出しても良かった気もします。

ちなみに個人的な話なのですが原作小説版。
最後まであの高校教師が清佳だとわからず読んでました。
なんで自殺した清佳の話をしている(と勘違い)のに大きくなった英紀っぽいキャラがいるんだろうな、と思っていたのですが・・・自分の読解力のなさが悲しい。

田所哲史


映画だとかなりシーン削られていましたが・・・映画だけ観た人だと非常にわかり辛い描写があったと思います。

何故父親が祖母の死因を知っていたのか。
何故母が祖母を置いて脱出したのか。
何故焼け落ちた家に飾ってあったはずのバラの絵が再建後の家に飾ってあったのか。

映画とその辺非常にわかり辛いと思うのですが多分原作と同じなので解説。

実は母と娘を助け出したのは田所だったから。
詳細については原作小説を読んで欲しいのですが簡単に書くと・・・

台風で早めに夜勤を切り上げて帰って来た田所は家が燃えているのを確認。
そして家族の安否を確認する前に自分の絵の安全を確保したから、というのが理由。

祖母と娘が下敷きになっているのを知らなかった(ちなみに原作は微妙にシチュエーションが違う)とは言え家族より自分の絵を優先してしまった事に負い目を感じていたんですね。

このシーン以外にもかなり省略されているシーンがあるのですが・・・この辺はカットしない方が良かったんではないかなあとは思います。

実際母親、娘の真実でどちらが正しいか、的な映画に見えますが実のところ両者とも事実とは異なるというのは如何なものでしょうか。

といってもあくまで映画のテーマは母性。
田所のシーンを省略しても話成り立ってはいるので問題ないと言えば問題ないような気がしますが・・・
映画だけ観た人は疑問が残るシーンだったような気もします。

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