映画 金の国 水の国 感想

映画 金の国 水の国 ネタバレありの感想です。
原作は未読。

以下ネタバレありの感想です。

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感想


予想以上に良い映画でした。

予告を見た時は仲の悪い両国から人質のように差し出された二人が両国の関係改善に尽力するラブストーリー的な話なのかと思っていたのですがまったくそんな事はなかった。

嫌味なキャラっぽい登場した王女レオポルディーネもそれなりに信念を持っていて。
その王女の単なる腰ぎんちゃく的なイケメンかと思ったサラディーンも想像以上に自分の考えを持っていて自分、そして王女のために尽力する。

他のキャラも単なるモブキャラはほとんどおらずそれぞれの考えを持っていてそれぞれの目標のために行動する。

非常に魅力あふれるキャラとストーリー展開でした。
バイカリ国の王、オドゥニが若干というかかなりバカだったのは気にはなりますが・・・まあこの国王も深い考えがあったら尺収まりきらないですしね。それこそナランバヤルとサーラの二人ではどうしようもない問題となってしまいます。

キャラの魅力。ストーリー。
それらがきっちりと描けていた予想以上の良作だったと思います。


世界観について


ちょっと気になったのが世界観について。
アルハミドとバイカリ。ほとんど国交はないはず。
末席とは言え王女ですらバイカリについてほとんど知識がない(毛むくじゃらとか言われてたような)状態なのに服装を見ただけでバイカリ国の人間だと判断していたような。
ナランバヤルは双方の歴史について詳しいようなのであまり違和感はないのですが他の人間がそう簡単に他国の人間だと判断できるものでしょうか?ちょっと気になりました。

それと映画観た後に漫画版の冒頭だけ観たのですが両国の仲裁に入ったのは漫画版だと神様だとされていましたが映画版って誰でしたっけ?
ちょっと気になりました。


ばあや


最後まで良い人で良かった。

というのも・・・サーラがオドゥニと飲み比べをした事。
なぜかアルハミドの国王側が知ってたんですよね。まさかばあやが内通者でいつでもサーラを始末できるように・・・とか邪推してしまいましたがそんなことはなかった。

つまりあの描写はアルハミドは既に戦争吹っ掛けるつもりでバイカリ国にスパイ送り込んでいて情報を得ていたというだけの話っぽい。さすが強国は違いますね。
・・・逆に言えば勝算が全くない状態で敵国の情報も全くしらない(エレベーターがある事すら知らなかった)。そんな状態で喧嘩を売ろうとしていたオドゥニが超絶バカって話になってしまうのですが。
水がもうないらしいから勝てると踏んだのでしょうか。そりゃナランバヤルにバカにされるって話ですよ。
まあアルハミド国王も娘からバカにはされてましたがこちらはそれなりに理由はあったので・・・。


サラディーン


商業盛んで人の交流が多いアルハミドでもトップクラスに顔が良くてなおかつ頭が切れるとは・・・天は二物どころか色々与えすぎ。
ラストのレオポルディーネとの会話(50年後も一緒にいる)から一途っぽいですし・・・なんだこの最強のイケメンは。

こうなってくると些細な事でケチをつけたくなるのですが・・・強いて言えばラスト、会議に向かう際にナランバヤルにろくな護衛をつけなかったぐらいですかね?
とは言えあの時はナランバヤルが狙われてはいましたが自分が狙われる可能性も高い。むしろ左大臣と会議中とか無茶苦茶危険ですしね。そこまでの余裕がなかっただけだと思います。
王女側の護衛をいくらかつけられれば・・・とは思いますが開戦するかどうかピリピリしている時に大っぴらに護衛つけるのも難しそうですしね・・・。
という訳であまり文句の付け所のないイケメン。いや文句の付け所がないイケメンの時点で文句を言いたい。

まあ彼のいた場所はもうない様子(滅びた的な事を言っていたような)なので・・・彼もそれなり苦労してきたんですね。多分。


ライララ


反戦派の王女側の暗殺者。
・・・まあ反戦=非武装って訳にもいかないですよね。国王派とやり合うにはそれなりの武力が必要。

しかしこの人。国王派の側近家族をあっさり人質にとるとかってかなり優秀な人材な気がします。0.1トンはあろうかと思われるサーラの身代わりも出来る・・・出来たかどうかは不明ですが出来るっぽいですし。

まああの側近。元々反戦派っぽいので最初から懐柔するつもりで人質に取った可能性もあるのですが・・・それはそれで怖い。個人情報ほぼ全て把握してるって事にもなりそうですし。
護衛を排除する際に爆弾使ったのはちょっとやり過ぎな気もしましたがあれは王女側への合図だったんですかね?色々と有能過ぎる・・・。


ジャウハラ


学者・・・学者?
お前のような学者がいるか・・・。
死なないとは思うけれども・・・死ぬなよ、みたいな事言われて本当に死ななかった模様。
そもそも学者が複数(20?)の護衛を相手にする時点で死なないとは思うけれども、と言われる時点でおかしいのですが・・・アルハミドはおかしい(誉め言葉)人材が多すぎる。
最初の牢屋から釈放された時点でもその見た目を活かした頭脳プレイ(ある意味脳筋)を見せつけてましたしね。


レオポルディーネ


暇つぶしに嫌がらせをしてくる嫌なキャラ的な存在だと思ったのに・・・全くそんな事は無かった。
まあ嫌がらせをしたことは確かですが真意はバイカリ国の内情探ろうとしていたって事でしょうかね?
反戦派だとしても相手側にその意志が無ければムダですし。

・・・いや、よく考えたら犬が送られてきた事知ってましたよね。純粋に妹に嫌がらせをした可能性が?
まあなんだかんだ言ってあの場で多少失敗したとしても特に何もしてこなかったとは思いますが。
もちろん大失敗していたら処刑していた可能性もあり得ますが。

母親を見た美しい金の国を守ろうとはしていたようですがライララのような暗殺者を飼っていた事から単純に話し合いだけで済ませるキャラじゃなさそうですしね。必要であれば武力も厭わない。ただ本音は出来る限り美しいこの国を傷つけずにこの国を守りたい、といった思いがあったのではないかと思われます。


ピリパッパ


完全に黒幕だと思ってました。そんなことはなく国王の思想に乗っかって成り上がってやろう的なキャラだった模様。

そもそも国王に重宝され始めたのは完全に運ですからね。頭痛を和らげることが出来た整体師(?)ってだけですし。
それが一気に左大臣になれたのは・・・アルハミドの内政が腐っているという事にもなりそうですが。反戦派の王女側から反発もあったと思うのですが・・・小物っぽいからとりあえず様子見していただけ?まあ下手に有能なキャラが国王派になったら厄介ですからね。無能が役職についていた方が王女側からしてみればやりやすいのではないかと。

他のキャラが頭がよくそれなりに信念をもって行動している中ちょっと残念なキャラだったとは思います。まあオドゥニ程ではなかったですが。


オドゥニ


作中屈指の無能。
50年前の戦争の被害から立ち直れていない。
公共事業もうまくいっていない。
敵国の情報もろくに入手していない。

それにも関わらず相手国との約束事を反故にするような事をして開戦狙っていた完全に無能の象徴。
アルハミドは水がもうないって情報だけで勝てると思ったのでしょうか?

映画を観ている途中、何か深い思惑があってやっているのかと考えてしまいましたが(他のキャラが色々と考えているだけに)まったくそんな事はなかった。


ラスタバン三世


こちらも無能よりではあるのですが・・・オドゥニとは比べ物にはならないですね。

先王から3世という名前を付けられていた理由。ナランバヤルが色々とは言っていましたがそれとは別に先王の時点でもうこの国に後がない事を悟っていたからじゃないでしょうかね?
50年持たずに水は枯れ果てるとの事。つまり望む望まないは別として3世の世代でどうにかしなければいけない問題。
解決できるかどうかは別として解決しなければいけない直面に立たされることは必然。その直面する問題をどうにかしてほしいと願ってつけられた3世じゃないかと思います。
・・・問題なのはそれがこの3世に全く伝わっていなかったって事ですが。女王と100人近くいる王女全てから(サーラからもバカ王扱いされてましたし)そっぽ向かれていたというのは・・・先王の育て方があまりよろしくなかったのかもしれない。

まあ国が亡ぶかどうかという局面で決断できない王の方が困る(反戦派といがみ合い続けていたら内戦で国が滅びかねない)ので・・・敵国と開戦しようと決断できるだけいいのかもしれませんが。
実際反戦派が半数近くいると言っていても強硬手段(ナランバヤル暗殺)とってなおかつ反発を抑え込める権力は維持していたっぽいですしね。それなりに優秀な国王なのかもしれない。

ただマッサージされていた場面。かなり無駄に水を使っていたようにも見えますが・・・あそこは擁護できない。


サーラ


酒豪で国を救った偉人。
・・・かどうかは不明ですが。飲み比べで負けていても村のイケメン二人が犠牲になるだけで国は救えていたのかもしれない。
ナランバヤルもサーラが自分の為に呑み比べをして敗北した(そして新婚のイケメンが犠牲になった)と聞いても奮起はするでしょうしね。

しかしバイカリ国の人の考えが面白い。
アルハミドの美醜は肌の張りで決まるのか?だの0.1トンはあるんじゃないかだの散々な言われよう。
もしかしたらこの話はナランバヤルの守備範囲が狭かったら終わっていた話だったのかもしれない。
結局ナランバヤルの一番の動機はほぼ一目惚れ状態だった、というのがあったと思いますし。

まあそれはさておきそんなサーラ姫の声優さんが浜辺美波だったというのは・・・嫌味なんだろうか。いや別に中の人が誰であろうといいのですが見た目的には正反対っぽいような気がしないでもない。


ナランバヤル


性格イケメン。いや普通にイケメンか。

しかしこの映画。かなり好印象なのですが声優さんの力も大きいと思います。主演の二人は本業の声優さんではないですが声的に違和感ある人選じゃないですしね。かなりあっていたと思います。
どこぞの二・・・いやこの話はやめておきます。

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