映画・小説 ドールハウス 感想

映画 ドールハウス
ネタバレありの感想です。
映画・コミカライズ版・小説版をみた上でのネタバレ感想です。

みた順番は映画→コミカライズ→小説版。

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映画版 感想

映画版はドールミステリーといってよいのだろうか。
ホラー映画でいいのではなかろうか。
少なくとも映画「恐怖人形」がホラー作品として扱われているなら、この作品もホラーといって差し支えないような気がする。恐怖人形はOPだけホラーだった。

恐怖人形の話は長くなるので置いといて。
ドールハウス確かに小説版を読むとちょっとホラーなミステリー作品として扱ってもいいと思うのですよ。ホラー要素はあれども、ミステリーの方に重点が置かれているような作風。人形がどういった経緯で作られ、それを知った主人公たちが人形に対してどうすればこの事態を収束できるのか・・・みたいな感じで進んでいくので。
映画版も小説版もほぼ同じ内容で進んでいくので映画版もミステリー作品といっていいような気もするのですが・・・でも、きっちり観客を怖がらせようとしてくるシーンが多い。これはやっぱりホラー作品なのではないだろうか・・・。

とはいえ映画版はホラー描写が入る前にきっちり前振りしてあるから、展開が予想できる人にはあまり怖く感じないのかもしれない。

例えば冒頭の芽衣が「かくれんぼ」をするシーン。
隠れる場所がなくなった芽衣が隠れる場所を探す時にドラム式洗濯機が映っていてこれは洗濯機の中・・・みたいな感じで容易に想像できてしまう訳ですよ。
他にも礼人形がベッドに潜り込んでくるシーン。
その前に真衣が潜り込んでくるシーンをやっているので今度は人形ですよね・・・と思ったらやっぱり人形だったり、とか。
他にも礼人形を売りさばこうとした寺嶋の口から髪の毛が出てくるシーンも直前でケースから髪の毛が出てきたり・・・と次の展開が予想しやすい。

他にもいくつかありますがどんなホラーシーンが出てくるか読みやすいんですよね。
そしてラスト。
さすがにこの辺のネタバレは止めておきますがホラー映画って最終的に後味悪い、というか解決しない展開が多いじゃないですか。
どういった経緯でそうなるかは分からなくとも最終的なオチが途中で読めた・・・いや、見る前から予想できた人が多かったんじゃないかなあ、と思ったり。

なので怖い事は怖いのですがそこまで怖い作品ではないんじゃないかと思ってしまいました。
私個人としては絶叫が来るだろうと思われる直前で耳を塞ぎながら観ていたので対して怖くは・・・すみません普通に怖かったです。
恐怖人形は劇場で笑いを抑えるのが大変だったのですがこちらはそうでもなかった。
で、恐怖人形がホラー作品として扱われている以上、この作品もホラー作品という事でいいですよね?と思った映画のドールハウスの感想でした。

コミカライズ版 感想

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大筋は映画・小説版と一緒。
ただしページ数の関係か若干省略されているシーンが多い?
冒頭の道路で遊ぶシーンとか。
ラストの・・・書くとネタバレになりそう。

とはいえ大筋は一緒。
映画版のストーリーを知りたいけれどもホラー映画は苦手という人にはいいのではないでしょうか?
まあ普通にホラー漫画として怖いのでホラー画像は平気だけれども音が付くとダメ、という人にはいいのでは・・・どれぐらい、いるのだろうか。
とにかくさっくりストーリーを知りたい方にはお勧め。

小説版 感想

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小説版というよりこれが原作?
映画版と大筋はほとんど一緒。というよりほぼ同じ。
ただし映画版より登場人物の心理描写が多いのでストーリーを理解しやすいと思われます。

特に印象的なのは人形収集家の池谷が人形を収集するようになったきっかけ、そして礼人形をいらないと言った理由について。
他には礼人形の制作過程とか。

映画では一瞬で過ぎるシーンも確認しやすいので登場人物があのシーンで何を思っていたのか、そして何が起こっていたのか、などを詳しく知りたい方は小説版がお勧めですね。

また映画では語られなかったアナザーストーリーが。
劇中で登場したオカルトレンジャーや、礼人形以外の浩吉人形についての話が掲載。
動画が見られるQRコードのリンクもあるので映画以上に楽しめるかも?

以下 ネタバレ要素多め

以下の項目はネタバレが多いので注意。

令百由旬内無諸衰患 念波妙法力還著於本人

劇中では「どういうことですか?」「呪詛返しです」と簡単に流されていたので調べてみました。

とりあえず結論。呪詛返しです。多分。

令百由旬内無諸衰患は九字・・・の一種?
九字とは道家により呪力を持つとされた9つの漢字。
九字を唱えながら、手で印を結ぶか指を剣になぞらえて空中に線を描くことで、災いから身を守ると信じられてきた・・・らしいです。
詳しくないので詳細不明。

念波妙法力は・・・全然わからない。
念波、妙、法力、で区切るのか。それと念波妙、法力で区切るのか。それとも一文字一文字意味があるのだろうか。
要は法力を飛ばす、みたいな事?

還著於本人
やられたらやり返されるぞ・・・みたいなものだと思われます。

そして劇中では「令百由旬内無諸衰患 念波妙法力還著於本人」と続けて言ってましたが恐らく一つの文章ではなく別々の言葉ですね。
令百由旬内無諸衰患と念波妙法力還著於本人。

わかり辛く例えると
令百由旬内無諸衰患は防御を上げるラクカジャ。
念波妙法力還著於本人は魔法を反射するマカラカーンなのではないでしょうか?
呪殺系使ってきたら反射してやる、という強い意思を感じる。
そして全てケースに描かれている言葉を劇中で全て読み上げている訳ではないので恐らくマカカジャも入っているのではなかろうか。

わかり辛い例えはさておき。
気になるのが誰がこれを書いたのか。

制作者本人かなあ、と思ったのですが違うはず。
制作者にこの手の知識がある描写はなかった事。
知識があったとしても礼の親ならこういった文章は書かないはず。
安らかに眠ってね、みたいな事を書くと思うのですよ。

製作者に頼まれて誰か書いたとしたら・・・それはないはず。
なにせ礼人形に礼の遺体が使用されている事は秘密にしているはず。
なのに人形をそのまま埋めるとちょっとヤバいんで呪詛が漏れないようにしといてもらえませんか?とか頼まないでしょう。

なので墓荒らしをしたやつ、もしくは買ったやつがお坊さんか誰かに依頼した可能性が高そう。
最高傑作だけあって造形は素晴らしい。けれど、どう考えてもこの人形による祟りが起こっているっぽい。
お焚き上げとかしてもいいけど、その前に色々試してみよう。造形はいいものだし。
という訳で適当に色々書いてみたら祟りがなくなったのでケースに入れて保管しとこう、みたいな感じではなかろうか。

ただし劇中の冒頭のシーンを見る限り子供を亡くした親を引き寄せる程度の力はあるようなので・・・封印できたけどやっぱりなんか幻覚っぽいもの見る事あるから手放そう、といった感じで骨董市に出回っていたのではないでしょうか?
もしかしたらこの人形を売っていた人も操られていた可能性はありますが・・・その場合は恐らくケースを破壊させて脱出しているはずなので直接操る事は出来なかったと思われます。

※追記
小説版によると複数人で呪詛返しを貼った模様。詳細は小説版のアナザーストーリーを参照。

礼人形

礼人形の能力・・・というより小説版では礼人形に憑いた悪霊とされていましたが、ややこしいので人形としておきます。

その人形の能力を考察。
とりあえず劇中でやった事と言えば・・・

・チラシを自分の近くまで誘導する
・髪の毛を伸ばす
・爪を伸ばす
・ドールセラピー
・真衣の首に髪の毛を巻き付ける
・牛乳を腐らせる
・腕を雑巾のように絞ってきた玲奈の腕に噛みつく
・真衣と会話
・真衣に自分の絵(心中、人形作成)を描かせる
・佳恵と忠彦のベッドに潜り込む
・佳恵に幻覚を見せる
・特に罪のない清掃員をゴミ収集車に放り込む
・かくれんぼで佳恵を襲い、結果として真衣を傷つける
・真衣の背中に掻き傷をつけ、脅す
・水道の水を腐らせる
・祖母の背中におぶさる
・隔離をすると祖母を外におびき寄せ噛みつく(真衣、礼どちらが嚙みついたか不明。真衣が操られて?)
・寺嶋(人形の横流しをしようとした坊主)の口の中に髪の毛を詰め込む。その後、ケースを破壊できたのは能力なのか偶然なのか不明。恐らく偶然。
・ポラロイドカメラにありのままを写して脅す
・山本(警察)に幻覚を見せる
・異臭を放つ
・墓の位置を特定しようとした神田を妨害しようとする。結果的に神田は負傷。
・佳恵と忠彦に幻覚を見せる
・芽衣を連れていく?
・洗脳

ぐらいだろうか。
こうして並べてみると意外に人を傷つけていない?
清掃員は完全に始末しようとしていましたがアレは自分が死にそうだったため。
祖母も最初は傷つける事はなかったようだし、基本的に自分に危害を加えるような存在でなければ直接攻撃してくる事は少ない模様。

そして自分の両親となりえる佳恵と忠彦にはほとんど物理攻撃は行っていない。
メンタルにダイレクトアタックは幾度となく繰り返してはいますが・・・自分の良い両親となる可能性のある人間は傷つけたくなかった、という事ですかね?
祖母におぶさったのも単に甘えたかっただけなのかもしれない。排除しようとしたので噛みついた?
ただしやろうと思えばやれたはずなので、真衣と同じく脅しの意味もあったのか・・・いや、噛みついたら即処分されるはず。なので違うのだろうか。
ただし精神年齢的には5歳児ぐらいなのであまり深く考えて行動はしていないのかも。そもそも悪意に憑かれているっぽいですし、正常な判断ができない時があってもおかしくはない。

ちょっと気になるのがラストの芽衣の描写。
あれは全て礼が見せた幻覚なのだろうか。
いや、別にあれが幻覚でもいいのですが・・・あれだけ狡猾過ぎやしないだろうか。
それまでは悪霊が暴れている、みたいな描写が多かったのですがあれだけは特殊詐欺もびっくりな描写だと思うのですが。そりゃ騙されるよ。
急に中の人の精神年齢が上がったような・・・もしかしたら直接実母に会ったことで何かしらの能力が覚醒した、もしくは精神年齢が実年齢に追いついたとか?

ラストはともかくこの人形は子供のいない老夫婦などの家にいれば、そんな危険な悪霊ではないんじゃないかなあと、思ってしまった。

以上は映画本編で語られた内容での考察。
以下は小説版のみで語られる情報も含めた考察です。
小説版未読の方はネタバレ注意。

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浩吉人形

アナザーストーリーで語られた内容を元に浩吉人形の能力を考察。

”録音テープ”の内容からすると浩吉が作成した人形、特に亡くなった娘の遺髪などを使った人形には幻覚を見せる・人を操る能力が備わっている可能性が高いと思われます。

”録音テープ”の幸子人形は幻覚を見せ人を操る描写がありました。
これは礼人形も同様。むしろ礼人形より幸子人形の方が幻覚能力が強いようにも思えますが、恐らく幻覚を見せる相手によって効果が変動するはず。
名前や境遇など条件が揃えば揃うほど強力な幻覚をかけやすいのではないでしょうか?
無差別に幻覚をかける事が出来るのであればわざわざ人を選ぶ必要はないですからね。
人形側も自分を大切にしてくれる人を選びたい、という意思があるのかもしれませんが。

で、気になるのが幸子人形は自分で動いた描写が無い事。
電話を通じて神田と会話が出来ている事を考えると幻覚以外の能力がある可能性はありますが恐らく自分で動けないはず。
まあこれだけでも怖いのですが・・・ではなぜ礼人形は動き神田を負傷させることが、そして神田の師匠に当たる人物に大けがを負わせることが出来たのでしょうか?

ヒントとなりそうなのはオカルトレンジャーの話。

オカルトレンジャー

映画では戦隊にありがちな追加メンバー加入で終わってしまっていましたが・・・あの追加戦士はなんだったのでしょうか?

よくよく考えれば浩吉人形とは関係なさそうですよね。
そもそも浩吉人形は神無島とは関係ないはず。
礼人形だけが神無島に埋葬されただけで他の人形は神無島に関わっていないはず。
もちろん礼人形と同じように亡くなった両親と一緒に埋葬された可能性はあるのですが可能性は低いはず。

なぜなら神無島は罪人が埋められる場所だったから。
映画では瓶がいくつか埋まってはいましたが小説版によると単に穴を掘って埋められた人間もいるとか。いや、場所を考えればそちらの方が多いはず。
となると礼人形のように両親と一緒に埋葬された可能性は低いはず。そんな温情かけられる罪人は少ないはずですよね。

ちょっと話が逸れたので戻しますがあの追加戦士の正体は神無島にいた罪人の悪霊なのではないかと思われます。
あの時点では他メンバーには見えていなかったのでオカルトレンジャーには気づくことができなかった。しかしカメラには映っていた。

小説版で見られる動画によると5月10日の時点ではグリーンは見えていた。そして憑かれていた。
ブルーには見えていなかった。
そして5月13日の時点ではブルーにも見えており、動画の最後には追加戦士に敗北してしまったと。

まあ最初は敵だった追加戦士が後々仲間になるとか戦隊あるあるなのでオカルトレンジャーも同様の道をたどったのでしょう。
そして次回からは追加戦士が仲間に加わりオカルトレンジャーの真のオカルトバトルが、視聴回数の微妙なオカルトレンジャーの真・救世主になる可能性が・・・

完全に話が逸れたので戻します。
とにかくオカルトレンジャーの追加戦士は浩吉人形とは関係ない悪霊の可能性が高い気がします。
5月13日の動画を見る限り物理的な干渉もできるようなので・・・

礼人形 追記

劇中に登場した礼人形は浩吉の人形に礼の魂と悪霊が憑いた存在なのではないかと考察してみます。

浩吉の人形は人間に対して精神的な干渉が可能。
悪霊は精神的な干渉に加えて物理的か干渉も可能。

劇中で礼人形が元気に噛みつきまわっていたのは悪霊による影響が強いのではないでしょうか?
他にも食べ物や水を腐らせる、髪の毛を体内に発生させるなど悪霊っぽい能力は全て神無島の悪霊の影響によるものと考えてもよさそうな気がします。

浩吉人形は礼と幸子人形の2体しか判明していないで他の人形はどうなのかは不明ですが悪霊の影響が強かった可能性はありそうです。

そう考えると劇中の描写で気になる点が2点。
池谷が礼人形を拒否した理由。
ラストの芽衣の描写。

池谷が礼人形を嫌がったのは余計な物、神無島の悪霊が憑いているからと考えらえそうです。
まるで本物と見紛うような浩吉の人形に惹かれた池谷なので余計な悪霊が憑いていればそりゃ嫌がりますよね。
また池谷も既に他の浩吉人形に軽く洗脳されている状態で、他の人形を守るために本能的に拒否した可能性も・・・その辺は全く根拠がないので止めておきますが、ともかく神無島の悪霊の影響があるのではないかと考察してみます。

そして次は芽衣の描写。
最初映画で見た時は芽衣の幻影を見せて洗脳させたのではないか、と思ってしまいましたが・・・もしかしたら芽衣は神無島の悪霊と一緒に成仏したのではないでしょうか?
芽衣が成仏したと思われるシーン以降、礼人形は主人公たちに物理的な危害を加えていないはずなので。

そう考えれば神無島の悪霊は芽衣によって成仏する事ができた。
しかし礼人形についた礼の魂は残ってしまった。
だから礼人形は主人公たちを操作し、幸せな生活を送っている・・・と考える事も出来そうです。

とすれば後は礼人形に憑いた礼の魂さえ成仏させられれば問題は解決しそうなのですが実際はどうなのでしょうか?
そもそもの話、以上の考察は私の個人的な考えなので。

映画のあとは礼を成仏させ、真衣との生活を取り戻す事ができたのか。
それとも洗脳され続け映画のラストのような日常が続くのか。
それは・・・娘と一緒に幸せな生活を送れたに決まっていますよね。人形のようにかわいい娘と。









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