小説 斬首の森 感想

小説 斬首の森 ネタバレありの感想です。

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・感想

最初にネタバレ抑えめの感想。

ホラー小説としてはとても良かった。ミステリー部分がちょっと残念。

ホラー感満載の「T社」「斬首の森」から逃げ出そうとするシーンは良かったんですよ。明らかに異常な死体運びから始まる本編。「研修」の洗脳が解けた、と思いきやそれ以上に異常な「斬首の森」を進んで行くホラー描写はさすがの澤村伊智。

なのですが・・・「斬首の森」の謎が本当に謎過ぎた。いや、説明はあるしそこまで複雑な内容では無いと思うのですが・・・ちょっと納得出来ない。

なんというか重要なところが繋がって無いというか・・・繋がっている事は間違いないけど無理やり繋げているような・・・力技で繋げている印象。というか力技で繋がっている印象が。

なのでミステリー部分を気にするといまいちに思えてしまいました。ただホラー小説としてならば間違いなく面白い作品だとは思います。力技で繋がっている部分も含めて。

ホラー小説としては良かったとは思うのですがちょっと残念な点があるように思えてしまった、といった感想でした。

・ネタバレありの感想

以降は本編の重要なネタバレがあります。ネタバレ注意。

と言うわけでネタバレ満載の感想ですが・・・

「俺は人間をやめるぞ!」じゃないっすか・・・胴体挿げ替えるのは人間辞めすぎ。ジョジョの吸血鬼、というかDIO様に思えてしまう。

それでよく生きていられるな、とは思うのですが色々無理がある模様。続木は定期的に胴体変えていたようですが水野はこれからどうしていくのか。新鮮な胴体あっても1年持たないっぽい?Tには関わらないとの事ですが色々と無理が出そう。結局は続木と似たような事をするかそれとも森に戻るかしないと胴体維持できなさそう。ただ研修や森での体験で本当に「俺は人間をやめるぞ!」精神に至っているので本当に何事もなく過ごすのかもしれない。序盤で研修から目が覚めた、的な描写がありましたが絶対に覚めてない。自分の胴体「討伐」してますしね。

それはともかく「斬首の森」の謎部分の解説シーンが力技過ぎてミステリーとして見るといまいち。比嘉姉妹シリーズはミステリー部分も良いのに。

ただホラー小説としてならこちらの方が良かったとは思います。謎が判明してからもホラー描写満載ですからね。むしろ謎が解明してからが本番かも。コピー研修生が久保を襲いかかるシーンは素晴らしくホラー。

ただ個人的には澤村伊智作品はホラーとミステリーのバランスがすごく好きなので今作はミステリー部分がいまいちに感じてしまった分、ちょっと残念に感じてしまいました。

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