映画 るろうに剣心 最終章 The Final 感想

映画 るろうに剣心 最終章 The Final
ネタバレアリの感想です。
原作は全巻持ってました。(現在手元になく内容確認できず)
映画シリーズは視聴済み。
以下ネタバレありの感想となります。

・感想

シリーズ最終作に相応しい出来だったのではないでしょうか?
良くも悪くも。
今までのシリーズ同様にある程度原作の要素を使ったオリジナルとして見ると非常に良い出来だと思います。
原作漫画は少年ジャンプなので少年漫画的要素が多いのですが映画はその少年漫画要素を極力排除した上で、原作の雰囲気を壊さず、なおかつ一本の映画として完成度の高いものに昇華していると思っています。

チャンバラアクションの質は間違いなく国内最高峰。ストーリーも上記の通り原作要素を入れつつ無理のない範囲でまとまっており、さらには俳優も豪華。
数少ない漫画原作実写映画の成功例と言われていますが納得の出来と言えるでしょう。
今作も原作の話は元となっていますが話はまとまっていますしアクションもカッコいい。原作の雰囲気も凄く出ています(原作の雰囲気はどちらかというとちらっと見せていたThe Beginningの方が良さそう)。
サプライズ的な味方キャラの登場もありえなくはない、といった点で10年近くに亘って作られてきた映画作品の完結編としては(まだ完結していないですが)非常に良いものだったと思います。

で、良い点は書いたので悪い点について
特定のキャラの扱いが悪すぎる。
前作も10本刀?3本ぐらいでいいよね(これは原作も10本いらない感ありますが)だったのですがそれは尺的に仕方ない面もあったと思います。

今回左之助の扱いが非常に悪い。縁にボコボコにされた挙句最終決戦では突撃してきただけ。
何故に戌亥番神とのバトルがない…と思ったら今回戌亥番神出ていなかった。これについては後述するとしてただ単にやられ役となっただけじゃないですか。

あと蒼紫。映画だと外印死んでるのでオリジナルで八ツ目無名異とバトルか、と思いきや途中でリタイア。その後何故か操が八ツ目倒してるのは納得いかない。御庭番のネームド数人で倒すならまだしも操ってせいぜい薫と同程度の強さなので違和感が凄い。
弥彦が全く全然活躍しなかったのはむしろ原作の弥彦がなんであんなに強いの?と思わせる急成長っぷりだったので映画ではこれぐらいの扱いでもいいです。むしろ弥彦に活躍させるなら左之助を活躍させろと声を大にして言いたい。

他にも原作キャラの扱いで色々言いたい事はありますが左之助と蒼紫の扱いが非常に悪かった点については不満点として書かせてもらいました。

それと凄い気になった、という訳でもなかったのですがちょっと言わせてもらいたい点があります。
上で少年漫画要素を極力排除した、と書きましたが最終決戦はむしろ少年漫画でしか見ない展開。ここまでストレートにここは俺に任せて先に行け!的な展開が映画で観られると思いませんでした。
悪い展開ではない、というか好きな展開ではあるのですが他のシーンと違ってここだけ漫画的要素だなと思ってしまいました。

まあ悪い点の方を長々と書いてしまいましたが映画としては非常に良かったと思います。原作要素無視(無視していい要素じゃないのが何点かあるのが)が気になった、といった感じですね。

以下原作要素を踏まえた雑記。

・鯨波兵庫斎

抜刀斎に腕だけ斬られ隻腕になった悲しい人物はいなかったんですよね。良かった。いや原作の展開は結構酷かったので。
一応映画では抜刀斎は戦場を無くした、生きる場所を無くしただけで直接過去に対峙した訳ではなさそうですね。
まあ何にせよ腕は斬られている訳ですが鯨波に関しては原作要素も踏まえて良かったと思います。
原作では剣心復帰戦の相手となってましたが…映画だとそこまでやる尺はないですよね。流石に。

・乙和瓢湖

他のキャラがオリジナルの武装、もしくは原作通りの武器を使用しても名前を出さなかったのに対してこいつだけ何故か梅花袖箭と自身の武器について言及していました。何故こいつだけ。
乾とか馬鹿っぽそうなので無敵手甲!とか叫ばせてあげても良かったのに(叫んでいたらすみません)
死にざまが原作と大きく違って(原作は死んでない気も)いますがむしろ原作より良かったですよね。
序盤で原作同様の展開で剣心と対峙してそのまま自爆。それなりに見せ場を作れた上に観客にそれなりのインパクトを与えた良い改変だったと思います。原作だと梅花袖箭使用できない状態だったにしても舐めプして弥彦ごときに負ける輩ですからね。映画は良かったと思います。

・乾天門

…誰?
でパンフ見て思い出したのですがそういえば映画一作目で戌亥番神は左之助と戦ってましたね。そりゃ出れないですよ。
という訳でオリジナルの名前で出てましたがキャラ的には実質戌亥番神とみていいでしょう。
で、それを踏まえて言わせて欲しい。
何故左之助と戦わせなかったのか。
原作であった前川道場の戦闘は左之助が間に合わずなし。最終決戦では何故か斎藤一と戦う事に。
こいつがまともに左之助と戦わないせいで左之助の扱いが非常に悪いのですが。操がネームドキャラ倒すぐらいなら左之助にやらせて欲しい。俳優の力関係か何かでしょうか?
まあ原作のこいつは乙和瓢湖も雑魚でしたが(原作の乙和瓢湖は手段さえ選ばなければ非常に強いはず)それ以上に雑魚なんですよね。
左之助の右手が完治していれば一瞬で終わっていた戦闘。悠久山安慈と比べるまでもないぐらいの雑魚なので別に映画でも扱い悪くてもいいっちゃいいのですが。

・外印

何故か出番なし。
…じゃないこっちも何故か映画一作目で死んでましたね。そりゃ出れんよ。
さらに言うと前作で夷腕坊が出たかどうかすら覚えていなかった。夷腕坊関連の話もなし、さらに薫の死体偽装の話もなし。今作に出れなくてもしょうがない。
だからと言って蒼紫様の出番を削って良い訳ではないのですよ?
こいつが死んでいるからか蒼紫の出番が単なる日記運搬役となってしまいました。

・八ツ目無名異

…なんで操と戦っているの?
原作だと斎藤一をそれなりに苦戦させた同士の中ではかなりの強キャラだったはずのなのに。負傷させたとは言え操単体に負けているようでは扱いが非常に悪いと言っていい気がします。
むしろ操の出番増やさず八ツ目と乾2人相手にして倒すぐらいの活躍を斎藤一にして欲しかったと思います。そっちの方が納得出来た。
とは言え八ツ目は過去編でも関わっているので次作に期待ですね。ちょい役になりそうですが。

・四星

こいつらに思い入れがある訳じゃないのですが一応ネームドキャラなので多少なりとも活躍の場が欲しかった。いつ死んだかわからない。
どうせ出番ないなら左之助と戦わせれば良かったと思います。一応白虎(だったはず)と左之助が戦っているので映画でも戦わせれば良かったのではないかと。
こいつらの活躍を増やせと言っている訳ではなく(原作でも余分な戦闘だと思ってますし。特に弥彦戦)左之助の出番を増やして欲しかった。

・黒星

ビジュアル的には原作とは似ても似つかないですが扱い自体は良かったのではないかと。概ね原作通りの動きをしていましたしね。
ただ、原作であった縁の「くれてやる」の台詞に対して上から目線でどうのこうの言うのが無かった(はず)のはちょっと残念。

・瀬田宗次郎

何故お前がいる。
いや設定的にはいてもいいのですが原作漫画続編の北海道編でもまだ本格登場してない(はず。単行本派なので。出ていたらすみません)のに映画で剣心と共闘とは美味しすぎる配役。
たたネームドキャラと戦わず雑魚と戦っていたのはちょっと気になりますが。と言っても斎藤一より強い(恐らく手段を選ばなければ作中2番目ぐらいに強い気がする。トップはもちろん師匠)キャラが下手に苦戦するのもあれですしそもそもサプライズ的な登場なので雑魚相手とは言え出番があっただけ非常に扱いが良かったと言えるのではないでしょうか?
逆い言えば左之助の出番を削っていたような気がしないでもない。

・巴 清里等々

こちらについてはThe Beginningが出てから書きたいと思います。
でもこの流れだとThe Beginningのラスボスって乾の師匠になりそうなのですがそれはそれでいいのでしょうか?オリキャラの師匠ってオリキャラじゃないですか。
それと巴と縁のお父さんは出ないのでしょうかね?剣心が廃人になる展開はなかったので出番なさそうな気がする。

・沢下条張

原作で生存しているキャラが死んだ…。
いや死んだか知らないですが。
戦闘シーンが省略されたのも残念。
ところで縁が神谷道場襲撃時に袋担いでましたがあれは薫の偽装死体かと思ってしまいました。映画だけ見てれば張が入っているのは分かり易い展開なのに。原作ファンに対するミスリードですね。
…いや漫画で縁の計画の一番重要である偽装死体をあんな雑な運び方する訳はないと思うのですが一瞬勘違いしてしまいました。

・相楽左之助

何回も書いたのですがもう一回書かせて欲しい。非常に扱いが悪い。
映画一作目から出ている戦闘要員なのに今回まともに戦闘した描写が皆無。ひたすらゾンビのように這い上がっていただけなのですが。
乾か四星を倒させて欲しかった。

・明神弥彦

映画で北海道編が出たら頑張って戦って下さい。
常識的な扱いをされていたら常識的な強さにしかならず全くと言っていいほど良い場面がなかったと思いますがこれはこれで妥当だと思います。

・四乃森蒼紫

出番が少ない!
一応演出的には悪くなかった(御庭番の為に復讐者となり戦い続ける存在だった蒼紫が民衆を守る為に負傷)のですがそれで退場というのは残念。

・斎藤一

冒頭の汽車内での戦闘。
牙突はある程度距離をとれないと使えないと宇水さんに言われてたと思うのですがあれは零式でも使おうとしてたのでしょうか?
というかそもそもあのシーン、マフィアのボスが護衛もなしに移動してるはずもないので警察官に多数死傷者を出したのは斎藤一の失策。
とはいえるろ剣の警察官ってやたらむやみに死んでいる印象ですが。

・巻町操

そして何故かこちらが出番大幅増。
原作の人誅編で戦っていた記憶がないのですが。
これは役者さんの力関係によるものなのかと疑ってしまいます。

・燕

原作の剣心復活エピソードが削られたせいか同時に燕と妙さんの出番も削られる事に。ほぼ町民その1ぐらいの扱いですよね?

・神谷薫

偽装死体は無かったもののそのせいで若干原作より影が薄かった気も。
あのエピソード入れると後映画1本作らないといけないので仕方ないっちゃ仕方ないのかもしれませんが。後死体の偽装も無茶な設定でしたしね。
それはそうとラスト孤島じゃなくなっているせいで何故逃げらなかったのがよくわからない展開に。
結局どこに攫われていたのかわからない。

・雪代縁

さすがに最重要人物なので扱いが良いですね。一応原作ラスボスだし扱い悪かったら逆に困りますが。上海に行った後の略奪についても省略されてますし比較的綺麗な縁だった。
しかし虎伏絶刀勢は入れて欲しかったです。天翔龍閃っぽいのはやっていたのに。2段ジャンプとか無茶なやつは再現しなくても良かったのですが必殺技は再現して欲しかった。名前は出さずとも抜刀術(双龍閃等を)を破る展開で。
でも狂経脈という設定は出なかったですが狂経脈っぽい演出はあったのは良かったです。まあ当然の事ながら龍鳴閃(鳴龍閃)は無かったのですが。

・緋村剣心

十字傷に関して。
十字の傷になったシチュエーション自体はほぼ一緒ですがつけ方が違ってますね。この辺はThe Beginningでやるとは思いますが。原作の付け方ちょっと無理やりっぽかったですし。
しかし今回十字傷について強い念によってつけられた傷云々で話が止まっていましたがこの流れだとThe Beginningのラストはこれ関連の台詞で終わりそうな予感。
今回のラストはありがとう、すまない、さようならで終わってましたがそれだとちょっと寂しいですからね。
傷がどんな想いでつけられたのか、その経緯を振り返ると共に締めとなると予想してみます。

以下駄文

・鯨波兵庫 (阿部進之介)
インパクターロギアは生きていた!
いや個人的に凄い久しぶりに見たので。
というか鑑賞時は気が付かなかった。どこかで見た名前だと思ったら暗黒包丁使いでしたよ。

・沢下条張(三浦涼介)
アンクだったんですね。完全に失念していました。
アンクはダークドライブにやられる事に。
というか出すなら出すでもう少し美味しい役にしてもらえるといいのですが。まだ原作(北海道編)だと生きてるのに。

・緋村剣心(佐藤健)
1作目のスパイダーオルフェノクといい今作のパラドックスロイミュードと言い怪人が大ボスの事が多いですね。
ジオウ映画にも出たのでまたライダー映画に出ないだろうか。

映画
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