漫画 らーめん再遊記 11巻 感想

漫画 らーめん再遊記 11巻 感想です。

・感想

ラーメンハゲの介錯が思った以上に容赦ない介錯だった。
原田をエセ夢追い人の中高年フリーターと一緒にするとか。さすがラーメンハゲ。
ラーメンに対する情熱は本物過ぎる。

とはいえグルタ君にフォローを入れたようにその介錯に至る解釈は少し間違っていたのですが。
まあラーメンハゲは「理屈っぽくて小意地が悪くて、まなじ優秀だから隙もなく可愛げゼロ」
原田は「ひねくれ者の見栄っ張り」。
お互いがお互いを完全に理解するのは今も昔も難しかった、という事でしょうね。

結局原田はグルタ君とラーメンハゲのおかげで再起する事となり、いい話で終わったなあ・・・と思ったらまたも突如として登場する電動キックボード。
しかも乗っているのがどきゅん武田。
そしてそのまま異世界転生でもする勢いでトラックに突っ込み・・・まさかの無傷。
さすがこの漫画最強ランキングトップ3に入る武田。(最強は恐らくラーメン大魔神)
フィジカルだけで言ったら最強かもしれない・・・

しかしこの電動キックボード。なんの意味があって挿入されたのか、と思ってしまったのですがまさかの展開。
あのラーメンハゲが(恐らく)一切の嫌味なしに「あいつは・・・本当にいい奴なんだよ・・・」と言える杉井さんが即退場。
次巻はこの杉井から託された想いをラーメンハゲがどう調理するか・・・という単純な話にはなるとは思えない。そういう話は藤本君が散々やってしまった。
「天国の杉井のもとに行け!!」と謎の行動をしているラーメンハゲですがこの行動自体は本心からやってはいそう。ただし杉井の想いを受け継ぐかは別問題ですよね。
この巻では杉井が何を思っていたのかほぼわからないのでその杉井の想い、そしてラーメンハゲの行動は予測がつかないのですが・・・それは次巻のお楽しみという事で。

以下は11巻で気になった描写を雑記

・有栖涼

まさか他のおっさんに嫉妬する有栖が見られるとは・・・これがホテルのフロントさんが望んでいたおっさんずラブ。いや、あの人はグルタ君が絡まないとあまり興味なさそうか。

しかし当事者であったラーメンハゲと原田はともかく有栖さんも原田に対して結構シビアな見方をしていたとは。いや、原田どころかラーメンハゲに対してもシビアな見方をしている。

「芹沢さんは売れ線に魂を売ったな」とか言ってしまえるのはさすが業界トップクラスのラーメン評論家。見方が本当にシビアなんですよね。
しかしそんな見方をしているからラーメンハゲから素直に褒められないんですよ。本心からべた褒めしないから・・・とは言え有栖さんは絶対にそんな事はしない。できない。
名人の名を使って色々やろうぜ、とやっていた時も批判的でしたしね。
つまり有栖さんがラーメンハゲから「本当にいいやつなんだよ」と言われることは絶対にない。有栖さんは嫉妬し続ける運命。

・芹沢達也

原田とのラーメン勝負(にはならなかったですが)で作ったラーメンが意外。
まさか化学調味料たっぷりのラーメンとは。
この漫画、というかこのシリーズであまり使われない化学調味料ですが(メインで扱われたのは才遊記の親子対決ぐらい?)それをメインに持ってくるとは。
ただこのラーメン。なんでこの形のラーメンにしたのか疑問だったのですが10巻を読み直して納得。
25年前の回想の
原田「いっそ脂と化調をどっさりブチ込んだボリュームたっぷりのラーメンでもやるか!?」のラーメンなんですね。納得。

しかし自由を追い求め過ぎたゆえに自由ではなくなってしまった、というのは皮肉ですよね。
ラーメンハゲも作りたくて牛脂たっぷりの鮎の煮干しラーメンを作っていたわけではなのに・・・結果として今では電動自転車でヒャッハーするぐらい自由なラーメンハゲが誕生してしまった。

・原田
前の巻の感想で色々予想していましたがほぼ外れていました。
それはいつもの事なので置いといて。

ラーメンハゲと原田はかなり良いライバル関係だったようですね。
ラーメンハゲは25年前にお互い冗談で言っていたラーメンで原田を介錯しようとする。
原田も25年前の別れの言葉を覚えており、ラーメンハゲの介錯に「イエース!!」と答える。
結局二人とも色々と思い違いをしてはいたのですがそれでもかつてのよき関係を思わせる良いエピソードでした。

それはともかく・・・
25年前の最後のラーメンはあまりにも極北過ぎやしないだろうか。
麺の定義からは外れていないかもしれませんが拉麺の定義からは外れていそうな気がしないでもない。
他に創っていた創作ラーメンはラーメンっぽかったのに。
とはいえ一度は食べてみたいラーメン・・・ラーメン?ではあります。



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