時給三○○円の死神
映画版・原作の小説版のネタバレありの感想です。
ネタバレしかないので注意。
物語のラストや致命的なネタバレに関してはぼかして書いています。
主に映画と原作の小説の違いを書いてみます。
その後にネタバレありの感想を。
映画と小説の違い
まず前提。
映画を見る直前に小説版を一気読み→映画を鑑賞→小説版をサラッとおさらい。
という流れで内容を確認。
原作を読み込んではいないので間違いがある可能性が高いです。
また台詞などの違いなどについては映画と原作の違いが多すぎるので省略。
覚えていない、という面もありますが。
以下 映画と原作の違いについて。
・死者
映画では未練が残った人間は全て死者になる。(という説明に見えた)
原作では未練が残った人間の一部が「死者に」なる。その選出方法については不明。
・死神
原作で登場したバイトではなく本職(と言って良いのか不明)の死神は映画では登場しない。
佐倉を死神のバイトに勧誘したのは原作では本職の死神。映画では花森。
・朝月
原作では登場した朝月の家族の話は映画では一切触れられない。
当然原作にあった朝月の妹に関する話も全カット。
その分、ややこしい話も無くなっているが原作ではあった物語後半であった朝月の遺したノートを見つけて・・・からのシーンも一切カット。(映画ではノートは前半に登場)
・黒崎
原作であった黒崎のエピソードは映画では全てカット。
ただし黒崎がコーヒーのオマケを渡すというシーンは朝月に受け継がれている。
しかし映画では朝月が佐倉にコーヒーを奢っているが原作では佐倉が黒崎にコーヒーを奢っている。
・プール
全カット。
魔王からドロップキックをくらう村人も存在しない。
・広岡
細部は違うけれど大筋は同じ・・・だった気がする。
ただし出産時のシーンは映画では大幅に盛られている。主に旦那の非道っぷりが。
・夕
原作ではあった佐倉が虐待された子供のケースについて調べるシーンはカット。
なぜ夕がノートにあんなことを書いたのか若干分かり辛くなっている・・・ような気がする。
あとは夕のクラスメイトについての話もカット。心房細動云々の話。
その分、妹が心臓が弱い事になっていた・・・はず。
・雨野
原作では能力を使っている。映画では未使用。
結果、原作ではあった佐倉のカッターナイフに関するシーンは丸ごとカット。
ちなみに能力は一方通行のテレパシー。
能力がカットされた分、彼を擁護するシーンも無くなっている。
夕に関するシーンもカットされているので仕方ないと思うが。
・花森
原作では高校生。映画では大学生。
あとは・・・致命的なネタバレにしかならないので省略。
・佐倉
原作では高校生。映画では大学生。
また原作ではあった交通事故にあった、という設定は映画ではなかった。はず。
あとは佐倉の父親が起こした傷害事件に関しては省略されている。
原作では元政治家だった父親がかつての政敵にはめられた(殴ったのは事実)という設定がある。
最後の望みに関しては映画と原作で違いはなかった。はず。
・デジャブ
デジャブとジャメブに関して話す人物が映画と原作では全く違う。
原作のままでは非常にややこしい事になりそうなので仕方ないと思うが。
・ラストシーン
雪が意味するものが映画と原作では全く違う。
詳しく知りたい方は両方みてほしい。
・アカシックレコード
原作では登場したアカシックレコードと透明な本に関しては映画では一切登場しない。
・能力
ある能力の解除方法が原作と映画では違う。
原作では対象者に触れると能力の一部が解除される。
映画では特にそういった制限はない。ように見える。
(原作でも触れた上で能力者が解除する意思が必要な可能性はありそう)
原作とは死に方が微妙に違うから、なのだろうか?
ネタバレあり感想
これはミステリー系に見せかけた余命系なのでは?と思ったのが原作を読んでの感想。
「君の膵臓を食べたい」とはちょっと違う気もするけど・・・「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」が近いのだろうか。内容自体は全く違うけれど特殊な事情のある男女が・・・みたいな話。
ただ序盤・中盤では死者の本当の未練は何?という事に焦点がおかれて最初はホラー・ミステリー系なのでは?と思ってしまった。原作小説版の「記憶屋」のような。
しかし終盤、雨野が色々と余計なことを言ってからは完全に余命系の恋愛小説になってしまったように見えた。もちろんちゃんと本筋に向き合うシーンもあるのだけど。
物語のラストはちょっと納得しがたい。佐倉の望みはもう少しシンプルなもので良かったと思うのだが。別にあの「希望」でアリと言えばアリなのかもしれないが・・・ただ、それでも違う結末で良かったのでは?と思ってしまった。
ここからは映画を見ての感想。
佐倉の「希望」は変えなかったのか。
映画ではあの登場人物の登場シーンが原作から少しカットされているので余計に佐倉の「希望」が分かり辛くなっている気がする。まあその辺は原作にある程度は忠実に、という事なんだろう。
ただし、その後のラストシーンが映画と原作では全く違う。いや、話の流れ的には一緒だし言いたい事も大きく変わってはいないのだけど。演出が全く違う。雪に関しては映画と原作では正反対になっていないだろうか。
これに関しては・・・どっちがいいのだろうか。
ただ映画・原作のどちらも雪に関して話すシーンは唐突に思えたのでなんとも言えない。ビジュアル的には映画の方が良かったような気もする。
ただ結局の話。
映画も小説も佐倉の「希望」に関しては本当にそれでいいの?と思ってしまったのでモヤモヤが残ってしまった。この辺は個人差があるとは思うけれど。
個人的には多少ご都合主義があってもハッピーエンドの方が好みなのでラストの結末には不満が残る物語となってしまった、という感想だった。
ネタバレありの感想 追記
死神に関して。
映画と原作では若干扱いが違うので、ここでは原作について。
恐らく映画も原作も根本的な設定に大きな変化はないはず。
ちなみに最終盤のネタバレになるのでネタバレ注意。
原作では佐倉が少年に死神になるように促すシーンがあった。
恐らく映画ではなかったはず。
ただし恐らく少年は原作・映画のどちらも最終的に死神になって佐倉の前に現れた、というシーンがある。
そして少年の「希望」も佐倉と似たようなものだった。
恐らく死神バイトを斡旋している本職の死神は人生、もしくはロスタイムに絶望している存在に最終的に佐倉達が至った心境になってほしい、という希望があったと思われる。
原作ではそんな感じのセリフがあるので。
その辺はなんとなく理解はできるのだけど・・・バイトが違う希望を持っていたら希望はどうなったのか気になる。
あくまで希望なので「わたしの力を大きく超えている」と神龍のように言ってごまかすのか。
それとも俺が見込んだバイトなんだから全員その境地に達するよね、といううぬぼれでもあるのだろうか。
実際に本職の死神がどう考えているのかは気になる。

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